コミュニティ・スクールで「学校評価」を熟議 東京・板橋第十小

コミュニティ・スクールで「学校評価」を熟議 東京・板橋第十小
学校評価項目について熟議する教員やCS委員ら=撮影:松井聡美
【協賛企画】
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 学校評価項目について熟議しよう━━。東京都板橋区立板橋第十小学校(野崎徳道校長、児童629人)でこのほど、今年度の第1回コミュニティ・スクール(CS)委員会が開催された。同校の教員やCS委員らがグループになり、「未来を拓く」「誰一人取り残さない」「自分で決める」など、学校経営方針で大切にする5つの学びのそれぞれにおいて、学校評価として重視すべきことを話し合った。

 板橋区では、「コミュニティ・スクール委員会」と「学校支援地域本部」を両輪・協働の関係で運営する「板橋区コミュニティ・スクール」の仕組みを活用し、同区の各校において学校・保護者・地域が一体となってさまざまな取り組みを行っている。板橋第十小ではCSが立ち上がって7年目に入り、これまでも学校経営方針を熟議するなど、ONE TEAMで学校づくりに関わってきている。

 このほど行われた今年度の第1回コミュニティ・スクール委員会には、同校の教員、CS委員、CSオブザーバーら約50人参加し、「学校評価において重視すること」をテーマに熟議が行われた。

 会の冒頭では、野崎校長が今年度の学校経営方針において大切にする5つの学び▽未来を拓く(探究的な学習の充実など)▽誰一人取り残さない(不登校対応や特別支援教育の充実など)▽健やかな成長(人権教育の推進など)▽自分で決める(ルールメイキングの取り組みなど)▽社会とつながる━━を説明。その後、グループに分かれてそれぞれの学びにおいて学校評価で重視すべきことや評価指標について話し合った。

 「社会とつながる」について話していたグループでは、「第三者が学校にもっと入った方がいい。子どもたちを社会の中で取りこぼさないことが大切だ」「学校と地域がもっと結び付いてコミュニケーションの場が増えると、子どもが学ぼうとする気持ちが高まる」といった意見を出しながら、評価指標について考えていた。

 「自分で決める」のグループでは、同校の教員が昨年度のルールメイキングで取り組んだ筆箱の事例を紹介。「これまで筆箱は箱型で無地のものが指定だったが、子どもたちからさまざまな意見が出た。話し合いの上で、箱型・無地を『指定する』から『推奨する』に変えた」という。こうした経緯を知った上で、CS委員らからは「この評価項目では『学校のルールに自分の意見が取り入れられているか』のようなものがあればいいのではないか」と意見が出ていた。

 今年度から同校に着任したばかりの野崎校長は、各グループの熟議について「教員同士だけでは得られないような、とても新鮮な意見も出ていた。教員にとっても刺激になったのではないか」と話し、今後のCS活動についても意欲を示した。

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