青森県教育委員会はこのほど、2024年度に実施する小学校と特別支援学校小学部の25年度教員選考試験で、幼稚園教諭免許状の保有者を対象に特別選考を実施することを決めた。幼稚園教諭として3年以上の勤務経験があれば、小学校教諭などの免許状を持っていなくても受験でき、採用内定後に小学校教諭免許状を取得することも可能。幼小連携として幼稚園教諭経験者の活用を進めるとともに、小学校教諭の人材確保の狙いもあるという。
特別選考は、幼稚園教諭免許状の保有者で、特別支援学校幼稚部や幼保連携型認定こども園を含む幼稚園の正規教諭として、24年5月31日までに3年以上の勤務経験があることが条件。実務経験を重視し、個人面接、集団討論中心の選考となり、1次試験の筆記、2次での実技を免除する。
24年度実施の選考試験では小学校教諭約130人、特別支援学校教諭35人ほどを採用予定で、特別選考の枠は設けず、幼稚園教諭免許状保有者の採用数もこの中に含まれる。小学校教諭普通免許状を持っていない採用内定者は、免許取得を前提に採用を最長3年延期できる。その間、希望者には臨時免許状を与え、臨時講師としての採用も可能という。
すでに3月には幼稚園教諭免許状保有者向け研修会も開催しており、現役の幼稚園教諭や結婚などを機にいったん退職した経験者らが参加。県教委によると、小学校教諭の受験者数を確保したい意向もあるといい、「幼稚園から小学校へ上がったばかりの児童の指導には、幼稚園教諭経験者の力が生かされると思う。採用後の任用については学校長の判断になるが、低学年の指導に適性が発揮されるのではないか」と期待を込めている。