生成AIの回答に疑問も EDIX東京で小学生の公開授業

生成AIの回答に疑問も EDIX東京で小学生の公開授業
生成AIを活用した公開授業の様子=撮影:山田博史
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 生成AIを活用しながら小学生がホームページづくりに取り組む公開授業が5月9日、東京ビッグサイトで開催中のEDIX(教育総合展)東京で行われた。児童たちは生成AIのアドバイスを受けながらEDIX会場内のブースを紹介するホームページづくりに挑戦。生成AIの修正に対し、「かえって難しくなった」「いい文章になったが微妙に納得できない」などと疑問も示しながら課題に取り組んだ。

 公開授業は日本マイクロソフトのブースで行われ、東京学芸大学附属小金井小学校の5年生児童約30人が、同社が開発した生成AIツール「Copilot(コパイロット)」を使って課題に取り組んだ。コパイロットには、文章を作成したり、適切な文章を提案してくれたりするAIチャット機能があり、児童たちのサポートに使用された。

 児童たちは公開授業の前に数人ずつの班に分かれてEDIX会場内で気になるブースを訪問取材し、撮影した画像や取材メモをパソコンに打ち込んで簡単なホームページを作成。これを踏まえて同小の鈴木秀樹教諭がコパイロットを活用し、「ホームページの文章で直した方がいいところを教えてください」などと改善点を問う形で進められた。

 コパイロットから「会話の内容が不自然です」「もっと具体的に説明した方がいいです」などとアドバイスが返されると、児童たちの多くは指摘された内容を受け止めつつも、生成AIのアドバイスをうのみにせず、疑問も示していた。

 ある児童は、さまざまなゲームを楽しめるツールを紹介する文章で、「頭を使う」が「思考力を養う」と修正されたことなどについて、「全体的に難しくなっている気もする」と疑問を示した。また、別の児童は教室内でディスプレーを固定するキャスター付きストッパーを紹介した文章に対し、「なぜ必要なのか、何を解決できるのか明確にした方がいい」と修正されたことについて、「結構いい文章になっているけれど、微妙に納得できない」と述べ、鈴木教諭は「納得できない点をさらにグループで考えて」とより納得できる文章づくりに取り組んでほしいと呼び掛けた。

 鈴木教諭は昨年2月ごろから、学校での生成AI活用に取り組んでいるといい、公開授業のあと、「教科書は正しいことしか書かれていないのが当たり前だが、生成AIはいろいろなアドバイスをくれるので、子どもたちに疑問を持たせやすい。こうした点を今後も授業で活用していきたい」と話した。

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