入部した部活動に納得できない髪に関するルールや伝統があった場合、高校生の3割がやめるか、別の部活動への入部を検討すると考えることが、部活動における生徒の髪型ルールについて問題提起している化粧品メーカーのマンダムがこのほど発表したアンケート結果で分かった。こうした部活動における髪のルールについて、半数以上の教員が「時代は変わった」と認識しており、部活動の現場で変化が起きていることも伺える。
アンケートは3月25~28日に、部活動に所属している高校生1000人(運動部700人、文化部300人)と、部活動の顧問を務めている高校教員200人(運動部顧問111人、文化部顧問89人)にインターネットで実施。
髪に関する納得できないルールや伝統が部活動選びに「影響があると思う」「どちらかといえば影響があると思う」と答えた割合は、生徒で79.6%、教員で76.0%に上った。こうした髪のルールについて、競技人口の減少にも「影響があると思う」「どちらかといえば影響があると思う」と答えた割合は、生徒で73.6%、教員で72.0%と、7割以上の生徒と教員が、髪のルールや伝統が部活動選びや競技人口の減少に影響を与えると捉えていた。
生徒に対して、入部した部活動に「納得できない髪に関するルールや伝統」があった場合、気持ちにどんな変化があるかを複数回答で尋ねたところ、最も多かったのは「部活動へのやる気が下がる」(46.2%)で、次いで「やめるもしくは別の部活動への入部を検討する」(30.6%)などが挙がった。
自由記述では実際に「野球部が暗黙のルールで坊主にするため、野球部への入部を諦めた」「男子バスケットボール部に所属していた時、校則ではロングヘアがOKだったが顧問にロングヘアにするなら部活をやめろと言われ、そこから全くやる気がでなくなり部活をやめた」などの声があった。
2023年の学生スポーツシーンを振り返って、競技や部活動の際の髪型についてどんな印象を持ったかを複数回答で聞いた質問では、「自由な髪型でスポーツすることがいいと思った」と回答した割合は生徒・教員ともに3割以上に上った。また、教員の場合は54.0%が「時代が変わったと思った」と答えるなど、教員の意識も変わりつつあることが垣間見えるデータも散見された。