学校や幼稚園などの7.7%で、敷地内全面禁煙にしていないことが、厚労省が5月15日に発表した「喫煙環境に関する実態調査」の結果で分かった。敷地内全面禁煙としている割合は、健康増進法で定められている子どもや患者が主な利用者となる第一種施設の中では、病院に次いで2番目に高かった。
受動喫煙対策を強化するため、2019年7月に一部施行された改正健康増進法により、学校や保育所などの第一種施設は敷地内禁煙となっている。さらに、20年4月に改正法が全面施行されたことにより、第一種施設や喫煙目的施設以外の多くの人が利用する第二種施設でも原則として屋内禁煙となっている。
調査は改正法の全面施行後の喫煙環境の状況を把握し、対策の必要性を検討するための基礎資料とすることを目的に行っており、今回で4回目。今年1~2月に全国の事業所、企業・法人・団体、地方公共団体を無作為抽出した2万490施設に調査票を送り、有効回答が得られた9322施設の22年12月末時点での状況を集計した。第一種施設のうち、幼稚園、幼保連携型認定こども園、小学校、中学校、高校、中等教育学校、特別支援学校(学校園)は58件、保育所などの児童福祉施設は102件の回答を得た。
その結果、第一種施設全体でみると、敷地内全面禁煙にしているのは86.3%、そうしていないのは12.6%だった。敷地内全面禁煙にしていない施設のうち、特定屋外喫煙場所を設置しているのは61.7%、設置していないのは38.3%だった。
学校園に着目すると、敷地内全面禁煙にしているのは91.0%で、100%の病院に次いで高かった。敷地内全面禁煙にしていないのは7.7%で、そのうち特定屋外喫煙場所を設置しているのは50.0%だった。
児童福祉施設では、敷地内全面禁煙にしているのは90.0%、敷地内全面禁煙にしていないのは8.8%。そのうち、特定屋外喫煙場所を設置しているのは42.9%だった。
また、第二種施設のうち、公民館や図書館、博物館、美術館などの社会教育施設、学校教育支援機関、学習支援施設では、屋内全面禁煙としているのは95.9%で、国の司法機関の100%に次いで高かった。