中高生のネット上での問題のある書き込みが増加 千葉県

中高生のネット上での問題のある書き込みが増加 千葉県
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 千葉県がこのほど公表した2023年度「青少年ネット被害防止対策事業(ネットパトロール)」の実施結果によると、ネット上に問題のある書き込みをした中高生の人数は1113人と、前年度の約3.5倍になっていたことが明らかになった。急増の理由として、県は「自分自身の個人情報を公開するレベル1の捕捉範囲を広げたことが要因」と説明している。また、個人を特定した誹謗・中傷など「特に問題のある書き込み」については、学校を通じて指導、削除などを行っている。

 千葉県では青少年がインターネット上のトラブルに巻き込まれるのを未然に防止するため、ネットパトロールを実施している。専門的な知見やノウハウをもつ事業者に委託し、県内全ての中学校、高校、特別支援学校など632校を対象に、生徒が行っているSNSなどについて検索・監視を行った。

 「問題のある書き込み」には危険度をレベル1から3まで定めている。レベル1はこれまで「学校名・氏名・本人と分かる顔画像の全てが判明したもの」としていたが、23年度からは「自分自身の個人情報の公開(学校名に加え、氏名または本人と分かる顔画像)」に変更し、捕捉範囲を拡大した。レベル2は「自分自身の詳細な個人情報の公開」「他人の個人情報の公開」「個人を特定した誹謗・中傷」「自傷行為など(自殺予告など)」「暴力・問題行動(飲酒・喫煙など)」「わいせつ表現」、レベル3を「緊急性のある少年の刑事事件、自殺に係るものなど」としている。

 23年度の実施結果では、問題のある書き込みをした人数は1113人だった。そのうち、レベル2およびレベル3に当たる特に問題がある書き込みをした人数は92人で、その書き込み件数は119件だった。レベル2については「他人の個人情報の公開」が46件と一番多く、「暴力・問題行動」が32件、「個人を特定した誹謗・中傷」が22件と続いた。レベル3に該当するものは3件だった。

 レベル2および3に該当する書き込みが発見された場合は、教育委員会などに連絡され、投稿の削除を含めた生徒への指導が行われる。また、自殺やネットいじめなど事件性や緊急性の高い書き込みについては、学校、教委、警察などの関係機関が連携し、早急に対応している。

 23年度からレベル1の捕捉範囲を広げたことについて、県環境生活部県民生活科子ども・若者育成支援室の担当者は「捕捉範囲を広げたことで書き込み人数は増加したが、学校側によりきめ細やかな情報提供ができることで、トラブルの未然防止につなげていく。今後も悩みや不安を抱える生徒の早期発見や支援に努めていく」と説明した。

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