教員や保育士などのこどもと接する仕事に就く際に、性犯罪歴がないことを照会する「日本版DBS」の制度化を盛り込んだ「こども性暴力防止法案」が5月23日、衆議院本会議で全会一致により可決された。今後は参議院での審議に移る。
「こども性暴力防止法案」は、幼稚園や保育所、認定こども園、学校、児童福祉施設、児童相談所などの設置者と、国による認定を受けた民間の学習塾やスポーツクラブなどの民間事業者を対象とし、こどもと接する業務に従事する職員や従業員による性暴力を防止する取り組みを義務付け、被害に遭ったこどもを適切に保護する責務を定めている。
事業者はこどもと接する業務に従事する職員に関して、性犯罪の前科の有無を「日本版DBS」で照会し、性犯罪歴が確認できた場合や、こどもからの面談や相談などによってこどもへの性暴力の恐れがあると認められる場合には、こどもと接する業務に従事させないようにするなどの防止策を取らなければならない。
性犯罪歴の対象には痴漢や盗撮などの条例違反も含むものとし、対象となる期間は、服役した場合は刑の執行終了から20年、執行猶予判決を受けてその期間が満了となった場合は判決確定日から10年、罰金の場合は刑の執行終了から10年とした。
また、対象となる性犯罪の範囲を下着窃盗やストーカー行為などにも拡大することや、ベビーシッターや家庭教師といった個人事業主も性犯罪歴を確認する対象とするよう検討を求めることなどが附帯決議に盛り込まれた。