「社会の変化に対応し学び支えていく」 全日中会長に青海正校長

「社会の変化に対応し学び支えていく」 全日中会長に青海正校長
全日中新会長に選出され、あいさつする青海会長=撮影:水野拓昌
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 全日本中学校長会(全日中)の第75回総会が5月23日、東京都渋谷区の国立オリンピック記念青少年総合センターで開かれ、新会長に東京都大田区立志茂田中学校の青海(あおみ)正校長が選出された。青海新会長は「学校における働き方改革、学校活動の地域連携、GIGAスクール構想の推進など複雑かつ多様な課題に取り組み、社会の変化に柔軟に対応し、子どもたちの学びを支えていく」と抱負を述べた。

 就任あいさつに立った青海会長は今後の重要な取り組みとして、▽全日中新教育ビジョンの推進と評価、検証▽国の動きに対する対応▽全日中の組織と機能を生かした組織運営の充実――を挙げた。

 まず、2020年に策定され、学校が取り組むべき具体的な目標を掲げた中長期的な目標である全日中新教育ビジョンについて、「学校経営の根幹として常に意識していきたい。理念にとどまることなく、着実に推進を図りながら達成に向けて検証していく必要がある。全日中が実施する調査で目標に対して各学校の成果を検証し、各都道府県の中学校長会と緊密な連携を図り、ビジョンのさらなる推進に取り組むとともに、今後の改定時期の在り方や内容についても検討していきたい」と述べた。

 続いて、「教育界には学校における働き方改革、学校活動の地域連携、教員の人材確保、特別支援教育の充実、GIGAスクール構想の推進、全国学力・学習状況調査のCBT化に向けた取り組み、いじめ防止、不登校対策など複雑かつ多様な課題がある。予測困難な時代でも社会の変化に柔軟に対応し、人を育てる教育の在り方を追求し、子どもたちの学びを支えていく」と意気込みを示した。

 さらに「次期学習指導要領の改訂でも、これまで全日中が果たしてきた役割を継承し、学校からの教育改革に推進していくべきだと考えている。中学校教育の現状を踏まえた意見をしっかり届けていくことが肝要と考えている」と力を込めた。

 総会では、24年度の活動方針や予算などの議案が承認され、総会の決議には、①人間尊重の精神に徹し、「社会を生き抜く力」とともに「よりよい社会を形成する力」を育む教育を推進する②全日中新教育ビジョンを踏まえ、学習指導要領に基づく特色ある教育課程を編成・実施・評価・改善し、確かな学力の定着、豊かな心と健やかな体の育成を推進する③現在の学校教育課題に即した研修を充実し、教職員の資質・能力の向上と使命感の高揚に努める④創意ある教育活動を展開し、家庭・地域社会の信頼に応える教育を実現するため、人的措置をはじめ確固とした教育条件に整備・充実を期する⑤「教科書無償給与制度」「義務教育費国庫負担制度」および「人材確保法」の堅持を要請し、教育水準の維持向上を期する⑥新しい時代に求められる学校づくりに向けてリーダーシップを発揮するとともに、「学校における働き方改革の推進」「教員の勤務実態を踏まえた環境整備」を要請し、有効かつ持続可能な指導・運営体制の構築を期する⑦東日本大震災をはじめ、能登半島地震など近年多発する自然災害などにより被害を受けた地域の復興を期し、教育活動の充実に向けた支援と全国各地区・各学校における防災教育・安全教育の充実に努める――の7項目が盛り込まれた。

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