将来就きたい職業「決まっていない」が増加 21世紀出生児縦断調査

将来就きたい職業「決まっていない」が増加 21世紀出生児縦断調査
iStock.com/AzmanL
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 厚労省が5月21日に公表した21世紀出生児縦断調査で、2010年生まれで調査時に中学1年生の子どもに将来就きたい職業が決まっているかを尋ねたところ、54.1%が「決まっていない」と回答し、01年生まれの子どもが13歳だった時の結果と比較して、女児を中心に3.3ポイント増加していることが分かった。

 子どもの状況や子育てへの意識などを継続的に追いかけている21世紀出生児縦断調査は、01年生まれの子どもを対象にしたものと、10年生まれの子どもを対象にしたものがあり、今回公表されたのは後者の13回目。調査は23年5月25日に郵送またはインターネットによるオンライン回答で行い、10年5月10~24日生まれの子どもを対象とした。回収数は2万830件。

 10年生まれの子どもに自身が考える将来の進路について尋ねたところ、「具体的にはまだ考えていない」と回答したのが男児は40.9%と最も高く、女児も38.1%と「大学卒業後に働く」と並んで最も高くなり、01年生まれの子どもが13歳だった時の結果(男児36.4%、女児30.7%)と比較しても上昇している。一方で、10年生まれの子どもで「高校卒業後に働くことを考えている」「高校卒業後は専門学校・各種学校へ進み、その後、働くことを考えている」と回答した割合は、01年生まれの子どもと比べて男女ともに減少している。

 結婚については、「具体的にはまだ考えていない」が男児55.1%、女児43.6%と、ともに01年生まれの子どもと比較して高くなっており、男児の増加幅は5.7ポイントである一方、女児は14.2ポイント増加した。

 最初の子どもを持つ時期についても、男女ともに01年生まれの子どもと比較して「具体的にはまだ考えていない」が増加(男児58.4%、女児46.5%)。女児では「25~29歳で持ちたいと考えている」と回答した割合が、01年生まれの子どもでは最多(33.9%)だったが、今回は12.7ポイント減少している。

 また、将来就きたい職業の有無について聞いたところ、10年生まれの子どもは「就きたい職業が決まっていない」が54.1%、「就きたい職業が決まっている」は43.7%だった。01年生まれの子どもと比較すると「就きたい職業が決まっていない」が3.3ポイント増加していた。男児は0.2ポイント減少した一方、女児は7.1ポイント増加した。

 将来就きたい職業が決まっている子どもがその職業に就きたい理由としては、「自分の興味や好みに合っているから」が最も多く、「自分の能力や適性が生かせるから」「社会や人のために役立ち、貢献できるから」が続いた。

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