日本人学生の2022年度の海外留学者数が5万8162人に上り、前年度の6倍近くに増えたことが、(独)日本学生支援機構の調査でこのほど分かった。コロナ禍を経て海外の入国制限の緩和が進んだため欧米を中心に回復傾向にあるが、コロナ禍前に比べると約半数にとどまっている。また、海外からの外国人留学生もコロナ禍後に初めて増加に転じ、23年は27万9274人に上り、対前年度比で約20%増加した。盛山正仁文科相は5月24日の会見で、「日本人の海外留学の増加と優秀な外国人留学生の受け入れ、それを支える大学の国際化の好循環を実現すべく、施策の推進に取り組んでいく」と述べた。
調査結果によると、22年度の日本人学生の海外留学者数は5万8162人で、対前年度比で428.8%増と大幅に増加した。コロナ禍の20年度は1487人、21年度は1万999人と大きく落ち込んでいたが、欧米諸国に続き22年度はアジア諸国で入国制限が緩和されたことで、留学生数の増加につながった。コロナ禍前の10万7346人(19年)と比較すると半数超にとどまっているが、「6カ月以上1年未満」の中長期留学者数が1万427人に上り、19年度(1万1562人)の約9割に達している。
主な留学先は米国(1万1880人)、カナダ(6735人)、オーストラリア(6187人)、韓国(4679人)、英国(3425人)の順だった。
一方、23年(5月1日現在)の日本への外国人留学生数は27万9274人で、対前年度比4万8128人、20.8%増加した。海外からの留学生を巡っては、22年3月以降の水際対策の段階的緩和や10月からの入国者数の上限撤廃により留学生の入国が進み、コロナ禍以降、初めて増加に転じた。また、このうち日本語教育機関への留学生は9万719人に上り、調査を開始した11年度以降、過去最多となった。
主な出身国(地域)は、中国(11万5493人)、ネパール(3万7878人)、ベトナム(3万6339人)、韓国(1万4946人)、ミャンマー(7773人)の順だった。