中高女子生徒の理系の進路選択を支援 新プログラム始動

中高女子生徒の理系の進路選択を支援 新プログラム始動
研究室を訪れ、学生(左)から研究内容の説明を聞く女子高校生たち=撮影:川嶋千恵
【協賛企画】
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 大学で理工系学部に進む女子が少ない実態を受け、中高の女子生徒にSTEM領域の学生生活を体験してもらい、理系の進路選択を支援しようというプログラムが6月11日、始まった。

 このプログラムは「Girls Meet STEM College」と名付けられ、(公財)山田進太郎D&I財団が、青山学院大学、慶應義塾大学、名古屋大学など全国24大学と連携して始めた。

 この日、都内の芝浦工業大学で記者会見が行われ、はじめに同財団が、日本のSTEM領域への女性の大学進学率は、OECD諸国の中で最低水準の19%だと説明。この問題を解決するため、全国の大学と連携し、研究室の見学やキャンパスツアー、理系の学生との交流などを行って、女子生徒たちが理系分野への興味や関心を高めることが重要だとし、「性別にとらわれずに、女子生徒たちが自分のやりたいこと、好きなことをできる社会を目指したい」と話した。特に広報面で各大学での体験プロジェクトを支援し、大学間で成功例を紹介し合うなどの連携も図っていきたいとした。

 また、このプロジェクトに参加する青山学院大学、芝浦工業大学、東京工業大学の副学長らが登壇し、理工系学部で女子の割合が低い現状と、女子向けのオープンキャンパスや「女子枠」を設ける入試改革などを通じて改善を試みていることなどを紹介し、新たなプロジェクトにも期待を寄せた。

 続いて、実際に体験プログラムが行われ、昭和女子大学附属中学校・高校の生徒約20人が、芝浦工業大学の「動的機能デバイス研究室」を訪れた。女性の修士学生3人がそれぞれの研究内容について説明し、特殊なインクを使って独自に開発したパターンを印刷すると、折り紙のように紙が自動的に折れる技術を紹介したり、電気を通して液滴を動かす実験などをしたりした。

 間近で見た女子生徒たちは「すごい!」などと歓声を上げ、熱心に見学し、質問もした。参加した一人で、高校1年生の糸久幸桜さんは「普段考えもしないような研究をしていて、すごかった。達成感があって楽しそうな姿を見て、将来私も理系に行き、自分で何かを作ってみたいなと思った」と話した。

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