学校予算拡充に外部資金獲得 2割の市町村教委が実施

学校予算拡充に外部資金獲得 2割の市町村教委が実施
iStock.com/Prostock-Studio
【協賛企画】
広 告

 学校予算の拡充を図るために、2022年度に外部資金の獲得を行った教育委員会が、都道府県・政令市では半数近く、市町村では2割に上ったことが6月21日、文部科学省の公表した「教育委員会の現状に関する調査」の結果で明らかとなった。教育行政職を採用している都道府県・政令市も2割近くあった。

 調査は67ある都道府県・政令市と、1718ある市町村などの教委に対して実施。22年度または昨年3月31日時点の教委の状況を聞いた。

 首長と教委が教育の課題や施策について協議する総合教育会議の平均開催回数をみると、都道府県・政令市では1.8回、市町村は1.3回で、大綱の策定や学校などの施設整備、学力向上、不登校対策、学校における働き方改革などのテーマが多く話し合われていた。

 教育委員会会議の平均開催回数は、都道府県・政令市で27.2回、市町村は15.0回で、市町村の開催回数は、人口規模が大きいほど多かった。教育委員会会議の議論を活発にする工夫として、教育委員を対象にした事前勉強会を開いている自治体は、都道府県・政令市で58.2%、市町村などで11.3%、委員からの提案に基づく議題を設定している自治体は、都道府県・政令市で4.5%、市町村で4.0%だった。

 教育委員の構成についてみると、保護者である教育委員がいない自治体は、都道府県・政令市ではないものの、市町村では4.2%あった。女性の教育委員がいない市町村は31自治体あったが、そのうち22自治体では、女性の教育委員の選任予定があるという。

 指導主事が配置されていない市町村は23.3%で、小規模自治体ほど配置されていない割合が高くなる傾向にあった。指導主事の配置に対する財政的な支援を行っている都道府県は21.3%だった。

 教育行政に特化した職種(教育行政職)を設け、採用しているのは、都道府県・政令市では19.4%、市町村でも0.9%あった。

 学校配当予算の総額が予算項目ごとではなく、総枠として学校に配当されたり、予算項目を定めて学校に配当されるが、学校が事業計画に基づき予算総額の範囲内で各項目への再分配ができたりする「総額裁量予算制度」を導入しているのは、都道府県・政令市で41.8%、市町村などで12.7%だった。今回の調査で初めて調べた学校予算拡充のための外部資金獲得に関する取り組みを実施している自治体は、都道府県・政令市で46.3%、市町村で20.5%あった。外部資金獲得の方法では、クラウドファンディングやふるさと納税の活用、寄付の募集などがあった(=グラフ)。

学校予算拡充のための外部資金獲得に関する取り組みの実施状況
学校予算拡充のための外部資金獲得に関する取り組みの実施状況

 また、幼保一元化の一環などで、児童福祉・子育て支援に関する事務の一部を首長部局から教委事務局に委任・補助執行しているのは、都道府県・政令市で17.9%、市町村で22.3%あった。

広 告
広 告