地歴と公民の必修科目の開設年次が対照的 教育課程調査

地歴と公民の必修科目の開設年次が対照的 教育課程調査
iStock.com/urbancow
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 昨年度に入学した生徒に卒業までに「修得」させる単位数について、学習指導要領で定められている最低基準である74単位を超えて設定している公立高校の全日制普通科は3校に2校程度で、2015年度に実施した前回調査より約10ポイント低下したことが、文部科学省が6月25日に発表した「公立高校における教育課程の編成・実施状況調査」の結果で分かった。現行学習指導要領で必修となっている「地理総合」と「歴史総合」は1年生で開設している割合が多かったが、対照的に同じ必修科目である公民科の「公共」は2年生に開設されている学校が多かった。

 同調査は、前回までは悉皆で行っていたが、今回から全国の公立高校、中等教育学校後期課程の中から1240校を無作為抽出して実施。23年度の計画について、23年12月25日~24年1月26日に、インターネットから回答を得た。

 その結果、23年度入学者に卒業までに「修得」させる単位数について、学習指導要領に定める最低基準である74単位を超えて設定している学校の割合は▽全日制普通科 65.9%(前回調査比9.6ポイント減)▽全日制専門学科 72.6%(同7.4ポイント減)▽全日制総合学科 46.3%(同3.7ポイント増)――だった。一方で、いずれの学科でも、卒業までに「履修」させる単位数が74単位を超えて設定しているのは、95%以上に上った。

 23年度入学者の24年度の週当たりの授業時数をみると、30~32時間と設定している学校の割合がいずれの学科も最も高く、▽全日制普通科 72.4%(同3.2ポイント増)▽全日制専門学科 73.8%(同7.1ポイント減)▽全日制総合学科 79.5%(同4.1ポイント減)――だった。週当たりの授業時数が33時間以上の割合は▽全日制普通科 24.2%(同1.4ポイント減)▽全日制専門学科 17.8%(9.3ポイント増)▽全日制総合学科 6.4%(同0.2ポイント減)。

 科目の開設状況に注目すると、現行の学習指導要領で必修科目となった地理歴史科の「地理総合」は1年次で54.9%、2年次で38.0%が開設、「歴史総合」は1年次で69.3%、2年次で27.9%が開設していた一方で、公民科で必修の「公共」は1年次で33.4%、2年次で64.4%が開設していた(=グラフ)。

現行学習指導要領で必修科目になっている「地理総合」「歴史総合」「公共」「情報Ⅰ」の開設年次の比較
現行学習指導要領で必修科目になっている「地理総合」「歴史総合」「公共」「情報Ⅰ」の開設年次の比較

 情報科で必修の「情報Ⅰ」は1年次で71.2%、2年次で24.8%が開設されており、「情報Ⅰ」を履修した上で選択できる「情報Ⅱ」を開設しているのは、2年次で2.5%、3年次で11.7%にとどまった。

 また、全日制普通科の92.9%、全日制専門学科の81.5%、全日制総合学科の97.7%で学校設定教科・科目が設定されていた。

 

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