高知市の小学4年生の男子児童が、中学校のプールを借りて行われていた水泳の授業中に溺れて死亡した事故を受けて、盛山正仁文科相は7月9日の閣議後会見で、改めて「学校体育活動中の事故防止のさらなる徹底に努める」と述べた。文部科学省とスポーツ庁は同8日付で、再発防止に向けて安全対策の確認を都道府県・政令市教育委員会などに通知した。
事故は同5日午前10時52分ごろに発生。高知市立長浜小学校の4年生が、同市立南海中学校のプールを借りて水泳の授業だったところ、プールサイドの縁につかまりながらバタ足の練習をしていたグループの中で、1人の男子児童が溺れていることに別の児童が気付いた。すぐに引き上げたが、意識不明の状態で救急搬送され、同日夜に亡くなった。
盛山文科相は事故について「高知市教委において第三者による検証委員会を設置して検証が行われる予定だと承知しているので、その報告を待ちたい」とした上で、「水泳等に関しては毎年度、事故防止に向けた通知を発出して注意喚起を行っている。体育活動中の事故防止に取り組んでいるところだが、誠に残念な今回の事故を踏まえ、昨日、全国の教委など宛てに改めて注意喚起の事務連絡を発出している。今後ともこのような事故の起こることがないよう、学校体育活動中の事故防止のさらなる徹底に努めていきたい」と強調した。
同8日付の通知では、高知市の事故の状況を共有するとともに、再発防止に向けて、各学校の水泳の授業での安全対策や安全指導などを確認するよう要請。4月30日付のスポーツ庁の通知「水泳等の事故防止について」を踏まえ、この事故のように普段使用しているプールとは異なる環境で授業を実施する場合も含め、適切な対応を呼び掛けた。