16~29歳の若年層の1割が痴漢被害に遭っていることが7月5日、内閣府が公表した調査の結果で分かった。被害に遭った場所は電車内が最も多く、回答状況をみると、朝の通学途中に痴漢の被害に遭いやすいことが伺える。
調査は全国の16~29歳にオンラインで実施。痴漢の被害に遭った経験のある2346人を抽出し、被害の状況などを分析した。痴漢被害の調査を政府が実施したのは初めてとなる。
調査結果によると、痴漢被害の経験があったのは、全体の回答者のうち男女合わせて10.5%、友人や知り合いからその人が痴漢被害に遭った話を聞いたことがあるのは25.1%だった。
痴漢被害を経験した人に、初めて被害を受けたときの年齢を尋ねたところ、最も多かったのは16~19歳の46.4%、次いで、15歳以下の35.4%だった(=グラフ)。
直近の被害を受けた際に、被害に遭った場所や向かっていた場所を尋ねると、学校(32.2%)や自宅(31.5%)が多かった。被害に遭った時間帯では、午前6~9時が34.5%、被害に遭った場所は電車内の62.8%が突出しており、電車による通勤・通学時間帯に狙われている傾向が浮かび上がってくる。
被害に遭ったときの対応(複数回答)では、「とっさのことで何もできなかった」(42.7%)や「怖くて体が動かなかった」(32.5%)、「我慢した」(30.3%)などが多く、被害に遭ったことを警察や交通機関などの職員に知らせなかったとの回答も80.4%に上った。