女子中高生が対象 「STEM領域職場体験プログラム」スタート

女子中高生が対象 「STEM領域職場体験プログラム」スタート
LINEヤフーのオフィスツアーに参加した昭和女子大学附属中高の生徒ら=撮影:松井聡美
【協賛企画】
広 告

 進路選択前の女子生徒がSTEM(理系)領域の仕事に触れる機会を増やそうと、(公財)山田進太郎D&I財団は7月11日、JR東日本、MUFG、Honda、LINEヤフー、理化学研究所など16の企業や研究機関と連携し、女子中高生向けのSTEM領域の職場体験プログラム「Girls Meet STEM Career」を開始した。同日には東京都内のLINEヤフー本社で記者発表会が行われ、同財団の山田進太郎代表理事は「STEM分野のジェンダーギャップ解消に向け、産業界、教育機関、政府、自治体などが協力し、社会を盛り上げていくことが重要だ」と強調した。

 日本の女性のSTEM領域への大学進学率はOECD諸国の中で最低水準の19%、エンジニアとして活躍する女性の比率もOECD平均20%に対して16.9%と低くなっている。その一方で、経団連による女性理工系人材に関するアンケートによると「理工系女性を増やす」と回答した企業は6割を超えるなど、企業からの需要は高まっている。

 記者発表会で山田代表理事は同財団について「誰もが性別や背景にかかわらず、好きなことができる社会を目指している。その第1弾として、STEM分野におけるジェンダーギャップの解消に力を入れている」と説明。「日本ではそもそも女子生徒がSTEM分野に興味を持ちにくい社会的な環境がある。このプログラムに参画してくれる企業や団体をさらに増やしながら、皆さんとともに未来をつくるための行動を加速したい」と力を込めた。

プログラムへの思いを語る山田代表理事=撮影:松井聡美
プログラムへの思いを語る山田代表理事=撮影:松井聡美

 同プログラムでは、全国の企業のオフィスツアーや、工場・研究所のツアー、STEM領域で活躍する社会人女性との交流を通じて、女子中高生がSTEM領域の職場を体験できる。対象は中学1年生から高校3年生までの女子(性自認が女性である人を含む)。プログラムは対面もしくはオンラインで実施する。

 同日より参加登録の受付を開始しており、現在は参画企業各社の夏休み期間中の対面のオフィスツアーの参加登録が可能となっている。秋以降も随時、各社からのツアーが募集される予定で、オンラインのプログラムも発表されていくという。

 同財団の石倉秀明常務理事COOは「これらのツアーの他にも、学校単位での依頼にも対応しているので、ぜひ個別に問い合わせてほしい」と話した。

 また、同日には昭和女子大学附属中学・高校の生徒がLINEヤフーのオフィスツアーデモに参加。さまざまなフロアを見学し、女性社員に質問するなどして、職場を体験した。

 「理系が苦手」と話す高校1年生の生徒は「オフィスを見てまわったり、社員の方に話を聞いたりするうちに、理系にもいろいろな種類があることが分かった。理系へのハードルが下がった気がする」と笑顔。また、中学3年生の生徒は「ITの仕事をしている人は、ずっとパソコンをしているというイメージだった。でも、ITの仕事は、自分が考えるものを見えるものにしていく、形にしていく仕事なんだと感じた。とても楽しそうで、オフィスもカラフルだったので、印象が変わった」と興奮気味に話した。

広 告
広 告