グローバル人材育成推進など特集 23年度文科白書を公表

グローバル人材育成推進など特集 23年度文科白書を公表
文科白書について語る盛山文科相=撮影:山田博史
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 文部科学省は7月19日、2023年度の文部科学白書を公表した。文科行政のトピックスを扱う特集では、昨年8月に発表したグローバル人材育成のための政策パッケージ「せかい×まなびのプラン」を取り上げたほか、今年1月1日の能登半島地震の発生を受けて、集団避難した生徒たちへの学習支援にあたった同省の対応を追部として盛り込んだ。

 「せかい×まなびのプラン」は、昨年5月のG7教育大臣会合の「富山・金沢宣言」などを踏まえて取りまとめられた。世界が直面する課題解決に向けて、世界と対等に渡り合えるグルーバルリーダーの育成が求められるとして、各学校段階から社会との接続を見据え、より多くの生徒や学生が留学などで国際経験を積むことを推進する施策などが打ち出された。

 白書では、3つのアクションとして掲げられた①日本からの留学・人材の交流②優秀な留学生や人材の受け入れ・定着③教育の国際化――ごとの具体的な取り組みを紹介し、官民協働で若者の海外留学を後押しする「トビタテ!留学JAPAN」では、5年間で5000人の留学機会の創出を図っていることなどを掲載した。同省は「コロナ禍で留学生の交流が停滞した後、文科省としていかに回復に向けてグローバル人材を育てようとしてきたかをまとめており、今の時期に合った特集だと考えている」と説明している。

 例年掲載されている「初等中等教育の充実」に関連しては、教師を取り巻く環境整備に向けた学校での働き方改革に関する取り組みや、今年5月の中教審「質の高い教師の確保特別部会」の「審議のまとめ」を紹介しているのをはじめ、科学技術系人材を育成するための理数教育の推進や高等学校改革の推進、いじめ・不登校等の生徒指導上の諸課題への対応などを取り上げた。また、日本語教育の推進に向けて、同省に「日本語教育課」が設置されたことなどをコラムで紹介している。

 さらに能登半島地震で学校施設1024校に被害が出たことを受けて、集団避難先での生徒たちの学習支援のため、教員免許などを持つ同省職員を含めてのべ290人を派遣したことや、学習者用端末の無償貸与や経済的支援策を周知するなど、地震後の一連の対応について追部でまとめた。

 盛山正仁文科相は19日の閣議後会見で、「引き続き国民に活用される白書を目指すとともに、文教科学技術施策のさらなる充実を図っていく」と述べた。

 公表された文科白書は、文科省のウェブサイトで読むことができる。

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