STEM分野に進む女性を増やそうと、ガールスカウト日本連盟は7月22日、マイクロン財団や大学などと連携し、女子小中学生にSTEM教育を体験させる指導教本を新たに作成したと発表した。指導教本では、厚紙などからマジックハンドの機構をつくることなどを通じて、学校での学びがこうした技術に生かされていることを実感できる。
指導教本は、できるだけ難しい内容にせず、各地のガールスカウトの指導者が教えやすいもの、短時間で安全に取り組めるものとすることを心掛けた。同じサイズの長方形に切りだした厚紙に「ハトメパンチ」で中央に穴の開いた金具を取り付けた部品を作成し、それらを組み立てるとマジックハンドになる工作や、1個のモーターだけで動く二足歩行ロボットの脚のメカニズムを平面上に再現した模型づくりを紹介。分度器やコンパスを使ってマジックハンドの動きを求めるなど、学校での学習内容との関連も意識できるように考慮している。
指導教本を手掛けた岩附信行東京工業大学副学長・工学院教授は「ただおもちゃをつくって動かすだけでは面白くない。それが今学んでいることとどうつながっているのか、どう発展しているのかを考えてほしい」と話す。
間(あいだ)奈々恵ガールスカウト日本連盟会長は「スタートはこれからだ。全国の指導者に指導教本を行き渡らせ、多くの少女会員にこのプログラムを広げていきたい。地域でSTEM分野に興味を持つ子がいて、もしも(STEM分野に飛び込むことを)躊躇(ちゅうちょ)しているならば、新しい世界を広げられるようにする一助になれば」と期待を寄せた。