不登校の児童生徒が学校外で行った学習成果を成績に反映するがことができる運用について、文部科学省は法令上明確化するため、学校教育法施行規則の一部を改正する省令案をまとめ、このほどパブリックコメントを開始し、意見を募集している。
文科省は2019年の初等中等教育局長通知で、不登校の児童生徒の社会的自立を後押しするため、一定の要件を満たせば、学校外の教育支援センターや自宅などで行った学習成果を成績に反映できるようにした。これを受けてすでに多くの自治体で運用されている。
その後、不登校の児童生徒が増え続ける中、昨年3月のCOCOLOプランでもこうした運用が改めて明記されたのに加えて、同年6月の「経済財政運営と改革の基本方針2023」では、教室外の学習成果の成績反映を促すために法令上の措置を行うこととされた。同省はこうした流れを踏まえて、不登校の児童生徒の努力の成果を適切に評価するとともに、誰1人取り残されない学びの充実を図るため、学校教育法施行規則の一部改正に乗り出した。
学校外での学習成果を成績に反映するためには、一定の要件が必要で、▽学習計画や内容が、学校の教育課程に照らし適切と認められること▽学校と保護者や学外の教育施設との間に十分な連携協力関係が保たれていて、学習活動の状況などを把握していること▽学校が児童生徒への訪問や対面指導などを通して学習活動の状況を把握するとともに、適切な関わりを維持するよう留意していること――などが設けられている。
パブリックコメントの期間は8月15日までで、同省は手続きを経て8月から9月ごろにかけて省令を公布したいとしている。意見はこちらから受け付けている。