2023年度に大学などに在籍する障害のある学生は、前年度に比べて約8500人増えたことがこのほど、日本学生支援機構(JASSO)の行った実態調査で明らかとなった。障害者差別解消法に関する対応要領などを定めている学校は8割に上ったものの、そうしたものを定めていない学校もまだ1割以上残っている。
調査は全ての大学、短期大学、高等専門学校(計1168校)を対象に、23年5月1日時点での障害のある学生の修学支援の状況を集計した。
障害のある学生数は5万8141人で、前年度から8469人増加。障害のある学生の在籍率は1.79%(前年度比0.26ポイント増)だった。障害種別にみると、精神障害が最も多く、次いで病弱・虚弱、発達障害が続く。
また、障害のある学生が在籍しているのは998校で、全体の85.4%だった。
各校における支援に着目すると、障害のある学生に対し、授業に関する支援を実施しているのは895校、授業以外の支援を実施しているのは704校。障害者差別解消法に関する対応要領や基本方針、規定などがすでにあるのは、941校で全体の80.6%に上った。23年度中に策定予定なのは59校あった。一方で、これらがないのも168校あり、全体の14.4%を占めている。
障害のある学生の支援に関する活動・取り組みについて、複数回答でその内容を尋ねたところ、最も多かったのは「支援情報の公開(学外者が見られるホームページで公開している)」(829校)で、「不当な差別的取扱いや、障害を理由とするハラスメントを防止するための取組」(818校)や「障害学生に対する就職支援やキャリア教育支援」(814校)、「社会的障壁について理解し、合理的配慮の提供を推進するための取組」(738校)などが多かった。
23年度入試で、入試要項やホームページなどに障害のある学生への配慮を記載しているのは933校、入試における配慮に関する事前相談の受付方法について、「全学共通のルールで期間を設けている」のは628校あった。