こども家庭庁はこのほど、2023年の1年間に教育・保育施設などで起きた負傷や疾病などの重大事故は2772件で、過去最多だったことを公表した。前年と比べると、認定こども園、幼稚園、認可保育所などと、学童保育で合計311件増加。また、近年減少傾向だった死亡事故も前年と比べて4件増え、9件だった。
国では15年以降、特定教育・保育施設、特定地域型保育事業など、子ども・子育て支援新制度に基づく認可の施設・事業について、事故報告を義務付けている。対象となる施設は認定こども園、幼稚園、認可保育所、放課後児童クラブ、小規模保育事業、家庭的保育事業、一時預かり事業、病児保育事業、認可外保育施設など。これらの施設で発生した死亡事故、治療に要する期間が30日以上の負傷や疾病を伴う重大な事故(意識不明を含む)を集計した。
集計結果によると、死亡件数は9件。施設別では認定こども園・幼稚園・認可保育所等で6件、放課後児童クラブで3件だった。年齢は0歳4人、1歳1人、2歳1人、放課後児童クラブ等が3人。死因としては窒息が1件、病死が1件、溺死が1件、急性硬膜下血腫が1件、死因不明等が5件だった。死亡事故発生時の状況としては、睡眠中が4件、プール活動・水遊びが1件、食事中が1件、食事直後が1件、施設内活動中が1件、施設外活動中が1件だった。
また、負傷2763件のうち、骨折が最多で2189件(前年比292件増)、意識不明24件(同5件増)、やけど3件(同3件減)、その他547件(同13件増)だった。施設と子どもの年齢の組み合わせでは、多い順に認可保育所の5歳が443人、4歳が306人、幼保連携型認定こども園の5歳が208人と続いている。