今年1月の能登半島地震で被災した石川県輪島市の子どもたちにデジタルツールを使った創作活動を楽しんでもらおうというワークショップが8月26日、同市で開かれた。地元の小学生が参加し、スタッフから使い方を教わりながら3Dペンを使ったアクセサリーづくりや動画の制作に挑戦した。
このワークショップは、プログラミング教育の推進などに取り組むNPO法人「みんなのコード」が、被災後初めての夏休みを迎える子どもたちに創作活動に触れてもらおうと企画した。夏休みの子どもたちが安心して学べる居場所として夏限定で輪島市内に開設されている「わじま未来スクール」が会場となり、約30人の小学生が集まった。
このうち3Dペンは、ペンの中で溶かした樹脂をペン先から出して「自分だけのアイテム」をつくることができるツール。同様のイベントで子どもたちに人気のあるコンテンツといい、子どもたちは早速、好きな色を選んで創作に挑戦。指輪などのアクセサリーやリンゴ、ソフトクリームなど思い思いの立体作品づくりに取り組んだ。作品が完成すると、「自分の指の太さにピッタリ合った指輪ができて楽しかった」などと笑顔を見せていた。
また、会場には映像制作のスタッフとともに動画を制作できるコーナーも設けられた。この中では、あらかじめステージでアクションシーンを撮影した子どもの映像に、指からビームを発するエフェクトなどを加えた動画の編集を体験し、参加した児童は「やってみたら思っていた以上に楽しかった。また挑戦したい」などと感想を話していた。
「わじま未来スクール」は夏休み中に友人と再会を楽しむ場になっているという。ワークショップを運営したみんなのコードの森田亜矢子さんは「子どもたちは元気で明るく楽しそうだった。いろんなことがあってもこうした場を通して前を向いている様子がうかがえ、うれしく感じた」と話していた。