小規模校の教員配置充実を 北海道大空高校の校長らが要望

小規模校の教員配置充実を 北海道大空高校の校長らが要望
盛山文科相(中央)に要望書を手渡す松川町長(左から3番目)や関谷教育長(右から3番目)、大辻校長(右から2番目)ら=撮影:川嶋千恵
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 全国でも珍しい全日制・総合学科の町立高校として、ユニークな教育を行っていることで知られる北海道大空高校の運営に関して、大空町の松川一正町長や関谷正樹教育長、同校の大辻雄介校長らが8月23日に文部科学省を訪れ、小規模校の教員配置の充実や地域とのコーディネーターの常設などを求める要望書を、盛山正仁文科相に手渡した。

 同校は、過疎地の地域特性を生かし、旧来の教育観や先入観にとらわれない学校運営を通じて、世界に通用する創造的な人材を育成しようと、2021年に大空町が設立した。それまで町内には道立高校と定時制農業科の町立高校があったが、中学生の人口減少などで定員割れが続き、道立高校の統廃合の可能性もあったことなどから2校を統合し、全日制総合学科の町立高校として開校した。

 総合学科では、普通科と専門学科の高校の科目の中から生徒自身が興味や進路に合わせて科目を選択して学ぶことができ、地域と連携した探究学習なども実施している。全国から生徒を募集していて、全校生徒112人のうち、約40%が道外からの生徒だという。

 今回、文科省に要望したのは主に2点で▽公立高校の総合学科で、魅力あるさまざまな教科を提供するためには多くの教科教員の配置が必要だが、小規模校では教員の配置数が不足し、設置者である市町村が全額負担し独自の加配をするなど費用面の負担が大きいため、教員定数を増やすなど改善に向けた取り組みをしてほしい▽地域資源を活用した学びの提供など質の高い教育を推進するため、高校生と地域をつなぐコーディネーターの存在は不可欠で、常設できるように配慮をしてほしい――としている。

 大辻校長は、「私たち以外にも地域の小規模校で地域と連携している学校があるので、こうした学校をぜひ後押ししていただけるとありがたい」と話した。

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