自民党総裁選告示 「無償化拡大」「給食費ゼロ」言及の候補も

自民党総裁選告示 「無償化拡大」「給食費ゼロ」言及の候補も
自民党総裁選に立候補した9人による所見発表演説会=自民党のYouTubeチャンネルより
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 岸田文雄首相の後継を選ぶ自民党総裁選が9月12日、告示され、過去最多となる9人が立候補した。同日午後には自民党本部で所見発表演説会があり、各候補が政治改革や経済対策、憲法改正などへの意欲を語った。演説の中で、教育の無償化拡大や給食費ゼロなど、教育や子育て支援に言及する候補も見られた。論戦は15日間にわたって繰り広げられ、今月27日に投開票が行われる。

 自民党総裁選に立候補したのは、届け出順に、高市早苗経済安保相、小林鷹之前経済安保相、林芳正官房長官、小泉進次郎元環境相、上川陽子外相、加藤勝信元官房長官、河野太郎デジタル相、石破茂元幹事長、茂木敏充幹事長の9人。

 9人は午前中に立候補の届け出を済ませた後、午後1時から党本部で開かれた所見発表演説会に臨んだ。それぞれ10分間の持ち時間で、裏金事件からの信頼回復に向けた政治改革をはじめ経済財政政策や憲法改正、防衛政策など、日本のかじ取り役として取り組みたい政策実現への思いを語った。

 演説では、教育や子育て支援政策への言及も見られた。

 小林氏は「国家運営の基本には、経済と安全保障、それを支えるイノベーション、そして全ての根幹には教育がある」とした上で、「国力の基盤である教育、幼児教育や高等教育の無償化の範囲を拡大し、民間企業の奨学金制度も拡充、完全国費留学制度もつくっていく」と述べ、経済対策を重点にしつつ、教育への取り組みにも言及した。

 林氏は、岸田政権でこども・子育て世帯への支援拡充などを盛り込んだこども未来戦略「加速化プラン」をつくった実績に触れた上で、「私がこれにプラスしたいのは中長期の安心と希望。少子化の淵源には非正規雇用が横たわっており、働き方改革をしっかりやるとともに、リスキリングで蓄えた新しいスキルでいろんな人が働けるようにしたい」などと述べた。

 加藤氏は、国民の所得倍増を柱とする「ニッポン一億総活躍プラン」を掲げた上で、少子化問題に触れ、「近年出生数が大幅に減少している。私は給食費、子ども医療費、出産費用の3つの負担のゼロを目指す。教育については安心して任せることのできる学校教育の実現に取り組む」と強調した。

 その他の候補は主に党改革や経済対策、防衛問題などへの意欲を語った。

 高市氏は国民に信頼される自民党の再生を掲げ、「足腰の強い自民党をつくり、日本列島のどこに住んでも安全で必要な福祉、教育も医療も受けられる強い日本列島を共につくりたい」と訴えた。

 小泉氏は、改革を加速するリーダーが必要と強調し、「選択的夫婦別姓の導入など人生の選択肢を増やす。一丸となって次世代の改革を断行し、新しい政治、新しい日本を作ろう」と呼び掛けた。

 上川氏は、人口減少や少子高齢化で難題が山積する中、構想力・決断力を持ち、国民に共感できるリーダーが必要だとして、「変革へのかじを切って日本の新しい景色を一緒につくっていこう」と訴えた。

 河野氏は混迷する世界情勢に触れた上で、「有事は外交安全保障だけでなく、物価高や老後不安、子どもの貧困などもある。国民の中にある有事を一つ一つ解決したい」と意欲を示した。

 石破氏は防衛や災害対応を中心に「国を守る」「国民を守る」をキーワードに掲げ、「今の政治不信に対して自民党が説明責任を果たし、国民が納得するまで全力を尽くしたい」と決意を述べた。

 茂木氏は、全く新しい自民党をつくると決意を示し、目標を掲げ、チームを束ね、結果を出すことが目指す政権の姿とした上で、「成長戦略による税収アップによって増税ゼロでの政策の推進を行っていく」と強調した。

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