中高生世代を対象にした国際情報オリンピックなどに出場した日本代表選手らが、9月10日に文部科学省を訪れた。国際情報オリンピックでは、全員がメダルを獲得。アジア太平洋情報オリンピック、ヨーロッパ女子情報オリンピックでも、日本代表選手らは好成績を収めた。8月27日には、国際地理オリンピックに出場した日本代表選手の高校生も同省を訪れている。
エジプトで開かれた第36回国際情報オリンピックに出場したのは、尼丁祥伍さん(灘高校3年生)、太田克樹さん(筑波大学附属駒場高校2年生)、平澤由埜さん(神奈川大学附属中学校3年生)、林涼太郎さん(筑波大学附属駒場高校3年生)の4人。このうち、尼丁さんと太田さんは金メダル、平澤さんと林さんは銀メダルに輝いた。
これ以外にも、オンラインで開催された第18回アジア太平洋情報オリンピックに出場した7人の選手がいずれもメダルを獲得し、オランダで開催された第4回ヨーロッパ女子情報オリンピックに出場した4人の選手も、3人がメダルを獲得、1人が優秀賞に選ばれるなど、日本の選手らは大活躍した。
9月1~8日に行われた第36回大会には、91カ国・地域から362人が参加。与えられた課題を解くための有効なアルゴリズムを考え、それを踏まえたプログラムを書き、コンピューター上で実行させて、その結果の正確性などを競い合った。平澤さんは「世界大会に行くのは初めてだったが、同じ趣味に打ち込んでいる人が世界にはこんなにいるのだなと思うと、自分ももっと頑張ろうと、やる気になった」と刺激を受けていた。
8月27日には、同19~24日にかけてアイルランドで開かれた第20回国際地理オリンピックに出場した石井智貴さん(灘高校3年生)、井上尚多朗さん(広島学院高校3年生)、佐竹凛太郎さん(横浜市立横浜サイエンスフロンティア高校3年生)、守田一馬さん(浅野高校3年生)の日本代表の4人の高校生が文科省を訪問した。
石井さんと井上さんは銅メダルを獲得。石井さんは「単に地理だけでなく、英語で質問されて英語で回答する難しさもあり、面白さもある中でメダルを獲得できたことは非常にうれしい。また、それ以上に他国の選手との交流やアイルランド文化の体験など、とても貴重な体験ができた。地理の知識は必ず役に立つと思うので、今回の経験を糧に今後も頑張りたい」と話した。同じく銅メダルを獲得した井上さんは「地理学はいろんな学問の基礎だと感じられたことに加えて選手交流を通して世界に友人ができて大変意義のある体験ができた。これからも何らかの形で地理に関わり、経験や知識を生かせるようしっかり頑張りたい」と語った。
国際地理オリンピックは地理に関する総合力をみる記述試験、写真や地図、グラフなどから情報を読み取る「マルチメディア」、開催地で指定されたコースを歩きながら、地理的スキルを問う課題に挑戦する「フィールドワーク」の3つの競技が行われ、問題・解答はいずれも英語で行う必要がある。第20回大会には46カ国・地域から183人が参加した。