文化祭の模擬店で販売する「小松名物塩焼きそば」で復興支援がしたい――。岡山県立玉野光南高校(延兼稔校長、生徒707人)の生徒らがこのほど、同校の文化祭「紫稜祭(文化の部)」で石川県小松市の郷土料理を販売し、予定していた200食を全て売り上げた。売り上げの一部は後日、能登半島地震の義援金として送られる予定。これに先立ち、同校の生徒らは石川県立小松商業高校(南誠治校長、生徒391人)の生徒らとオンラインで交流し、塩焼きそばについてレクチャーを受けた。
玉野光南高校の情報科2年生は、もともと紫稜祭の模擬店で塩焼きそばを販売しようと考えており、塩焼きそばについて調べているうちに、石川県小松市の「小松名物塩やきそば」にたどり着いた。紫稜祭では何らかの形で能登半島地震の復興支援をしたいと考えていたこともあり、「小松名物塩焼きそば」を模擬店で販売し、その売り上げの一部を義援金として送ることに決めた。
紫稜祭の前には、高大連携や地域連携、総合的な探究の時間の支援に取り組むIPU・環太平洋大学経済経営学部現代経営学科の大池淳一准教授が、玉野光南高校情報科の2年生5人と、小松商業高校の3年生5人のオンライン交流を支援した。
オンライン交流では、玉野光南高校の生徒が「塩焼きそばをよく食べるか?」と尋ねると、小松商業高校の生徒たちが「よく食べる。家でもお店でもソース焼きそばではなく塩焼きそばが出てくる」と答え、普段、ソース焼きそばしか食べていないという玉野光南高校の生徒たちからは驚きの声が上がっていた。
小松市で塩焼きそばが有名なお店や、「塩加減が一番のポイント」などのつくり方のこつ、アレンジ方法などについても、話が盛り上がった。玉野光南高校の生徒は「小松名物塩焼きそば」で使われているという小松市内のしょうゆ蔵のしょうゆを事前に入手しており、紫稜祭ではそれを使用して塩焼きそばをつくることを、小松商業高校の生徒にも伝えた。
玉野光南高校の生徒が「一つ400円で販売し、そのうち50円を能登半島地震の義援金とする。200食を目標に頑張ります!」と宣言すると、小松商業高校の生徒たちは「本当にその気持ちがうれしい。小松のことをぜひ広めてほしい」と感激した様子。お互いにリアルでの対面を誓い合っていた。
また、小松商業高校の生徒から「石川の方言で売ってみたらどうか。こちらでは『食べにきてね』を『食べにきまっし』と言う」と提案が。玉野光南高校の生徒はすでに、販売する焼きそば名を石川県の方言を使って「たった(ものすごく)うめぇ塩焼きそば」にすることを決めていたが、「お客さんの呼び込みでも石川の方言を使ってみる」と笑顔で応えていた。