外部人材活用へ「複業先生」と連携協定 三重県桑名市

外部人材活用へ「複業先生」と連携協定 三重県桑名市
連携協定を交わした桑名市の伊藤市長(右)と「LX DESIGN」の金谷社長(提供:LX DESIGN)
【協賛企画】
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 小中学校のニーズに応じた外部人材活用や教員の働き方改革を協力して進めようと、三重県桑名市はこのほど、学校向けの外部人材紹介サービス「複業先生」を運営する企業と連携協定を結んだ。地元の小中学校の授業に合わせた外部人材の紹介にとどまらず、学校からのフィードバックを生かして、教員の働き方改革や児童生徒の幅広いスキル向上などに二人三脚で取り組んでいくことにしている。

 桑名市と協定を結んだのは、教育系スタートアップ企業の「LX DESIGN」(本社:東京都千代田区)。同日、伊藤徳宇市長と同社の金谷智社長が連携協定の調印式に出席した。協定では、外部人材を活用した教員の働き方改革をはじめ、児童生徒の多様なニーズに応じた教育、AIやICT環境を活用した教育データ利活用によるスキルの向上などを協力して進めることが盛り込まれている。同社が自治体とこうした連携協定を結ぶのは初めてという。

 同社が運営する「複業先生」は、キャリア教育など教員だけでは手が回りづらい授業ができる人材を求める学校と、授業に協力したい多様な人材をつなぐプラットフォーム。スポーツやICT、英語など各分野で強みを持つ人材が幅広く登録しており、現在の登録者数は約2000人に上る。

 協定を受けて、桑名市は9月から市内の小中学校36校に「複業先生」を導入して、各学校の授業ニーズに応じた多様な外部人材を活用し、「個別最適な学び」を実現したいとしている。また、例えば地元の課題を授業で学ぶ際、地元で活動する人を「複業先生」に登録してもらい、授業に参加してもらうことなども検討する。さらに、各学校や教員の声をフィードバックしながら、外部人材活用による教員の働き方改革に向けても取り組むことにしている。

 調印の後、伊藤市長は「教育現場は教員のなり手不足や働き方改革、多様なニーズへの対応など、さまざまな課題に直面している。こうした課題を教育現場だけで解決するのではなく多くの市外の方にも入っていただき、開かれた教育への転換を図りたい。第一線で活躍する人材が授業をすることで挑戦する若者を育てていきたい」と述べた。

 また、金谷社長は「授業のマッチングをきっかけに学校現場のデジタル化や教員の負担軽減など働き方改革にも取り組み、先生たちのウェルビーイングも高めてもらい、保護者や地域にとってもいい学校教育をつくっていきたい」と述べた。

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