現在太陽と地球に接近中で、世紀の大彗星(すいせい)になるかと期待される「紫金山・アトラス彗星」について、子どもたちに興味を持ってもらい、教育現場で活用してもらおうと、日本文化教育推進機構は9月27日、授業で使用できるコンテンツなどを掲載する宇宙教育のポータルサイト「みらい宇宙教室」内に、特設ページ「紫金山・アトラス彗星を応援しようプロジェクト」を開設した。
「紫金山・アトラス彗星」は9月末に太陽に接近し、10月には地球にも近づいて明るくなり、10月中下旬には肉眼でも見える可能性が高いと言われている。肉眼で彗星を観測できることは珍しく、子どもたちの観察に役立つように特設ページが設けられた。
この特設ページでは、主に氷とちりでできている彗星が見られる仕組みや、「紫金山・アトラス彗星」はどこから来たのか、肉眼で見えやすいのはいつごろでどの空の位置なのか、流れ星とはどう違うのかなどについて、神奈川県平塚市博物館学芸員の塚田健氏が解説している。
また、小中高校の教員向けに、子どもたちにこの彗星について教える際に、どのような切り口やテーマ、アプローチがあるのか、アイデアを校種別にまとめた「指導案」も掲載している。最も見えやすくなるとされる10月中旬から下旬にかけて、いつどのように観察すればよいのか、学校などでの「観察会」の開催の仕方についても載せているほか、「紫金山・アトラス彗星」についての情報が掲載されているウェブサイトや関連書籍も紹介している。
プロジェクトを主催する日本文化教育推進機構の田代綾代表理事は「普段、授業の中で彗星を取り上げる機会は少ないと思うが、子どもたちにとっては初めて肉眼で彗星を見ることができるチャンスで、今後の人生ではもう見られない可能性もある。ぜひこの貴重な機会に、一人でも多くの子どもたちが空を見上げ、宇宙に想いをはせてもらいたい。教員の方々にぜひ授業に取り組んで頂きたい」と話している。
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