「虐待防止、児童福祉司増で支援強化」 三原こども担当相も就任会見

「虐待防止、児童福祉司増で支援強化」 三原こども担当相も就任会見
就任記者会見で抱負を述べる三原担当相=撮影:水野拓昌
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 石破茂内閣発足に伴い初入閣した三原じゅん子こども政策担当相は10月2日、内閣府に初登庁し、就任の記者会見に臨んだ。少子化の進行や児童虐待に関する相談件数が増え続けている現状に危機感を示し、児童虐待防止策では児童福祉司、児童心理司の増員、こども家庭センターの設置促進などを重要施策として掲げた。

 こども政策、少子化対策、若者活躍、男女共同参画、共生・共助の内閣府特命担当大臣である三原担当相は女性活躍、共生社会、孤独・孤立対策、休眠預金の活用など幅広い政策に関わる。

 三原担当相は会見冒頭、「こども家庭庁はこども政策の政府の司令塔として、子ども、若者、子育て当事者の声を聴き、子ども・若者の視点に立った施策づくりを通じて、こども大綱に基づき、こどもまんなか社会の実現に取り組む」と意気込みを示した。

 さらに、子どもの貧困対策、児童虐待防止も推進する姿勢も強調。少子化対策については「少子化は危機的な状況であり、先送りできない課題。こども未来戦略に基づいて、3.6兆円という前例のない規模で子ども子育て支援の抜本的強化を着実に進めていく」と述べ、結婚支援策に関する記者の質問にも「結婚、妊娠、出産、子育てを望む若者がおり、その希望をかなえられる社会にしていくということが大切だと思うので頑張っていきたい」と答えた。

◇ ◇ ◇

 記者会見でのこども政策、少子化対策などに関する三原担当相との一問一答は次の通り。

――少子化の現状をどう認識しているか。また、それを踏まえて少子化対策、子育て支援で力を入れたい施策は何か。

 担務はいずれも重要な課題と受け止めている。こうした課題について、さまざまな立場に置かれた当事者、現場での支援者の意見を丁寧に聴き、積極的に現場の視察も行いながら、さまざまな意見を大切にして施策を進めるよう努めていく。

――子ども・子育て支援金制度については、自民党総裁選では中止を訴える候補もいた。

 総裁選での各候補の主張について、私からコメントすることは差し控えたい。その上で、子ども・子育て支援金制度は給付を充実させることで、政府が総力を挙げて取り組む賃上げと相まって若い世代の所得を増やし結婚、子育てを確実に応援していくもの。歳出改革による社会保険料の負担軽減とセットで、実質的な負担が生じないものとしている。この制度の趣旨については、引き続き理解が得られるよう説明しながら進めていく。

――子育て世代が置かれている状況をどうみているか。どういう社会を作っていきたいか。

 子育て中の方の思いは声を聴くことが何より重要。こども家庭庁はそうしたところを進めてきたと思う。私も声を聴き、特に当事者、子育て中の方々、そして子どもたちの声もしっかりと聴き、皆さんが生き生きと笑顔で暮らせる社会を実現することが大事だと思う。

――児童虐待対策について、これまでも問題提起し、取り組んできたと思うが、担当相として実現させたいことは何か。

 子どもの心身の成長、人格の形成に重大な影響を与える恐れのある児童虐待は、いかなる理由があったとしても許されるものではない。生まれてきてくれた一人一人の命を大切にし、社会全体で児童虐待防止に取り組まなければならないと思っている。

 しかし、近年も全国の児童相談所における虐待相談件数は増加傾向で、適切に対応していけるよう、こども家庭庁としては全国の児童相談所で児童福祉司、児童心理司の増員を進めていかなければならない。増員をはじめとした相談支援態勢の強化が1つ。2つ目は今年4月に始まったこども家庭センターの設置促進、機能強化、そして、訪問家事支援等の支援事業などの推進で、子育てに困難を抱える世帯への市町村の支援態勢を強化したい。受け身ではなく、こちらからもできる限り早い段階から必要な支援を届けていくことを進めていきたい。

――新内閣の女性閣僚は2人にとどまった。

 閣僚人事は適材適所の結果と受け止めている。昨日の首相の記者会見での言葉通り、女性の権利が尊重され、社会のあらゆる組織で、あらゆる意思決定の場面に女性が参画することを官民共通の目標に、しっかりと進めたい。

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