【教育×総選挙】「親子で考える好機に」 出版社がアピール

【教育×総選挙】「親子で考える好機に」 出版社がアピール
Gakken発刊の選挙・政治に関する児童書=撮影:水野拓昌
【協賛企画】
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 衆院が10月9日、解散された。総選挙に合わせ、学研ホールディングスのグループ会社「Gakken」(東京都品川区)はこのほど、選挙や政治をテーマにした関連本のフェアを書店に呼び掛け、同社の児童書などフェア用の受注を始めた。同社は政治関連の児童書3冊を前面に出し、「子ども向けの書籍だが、大人が読んでも分かりやすい内容。家庭で、親子で読んでほしい」とアピールしている。

 衆院選は15日公示、27日投開票となる。Gakkenは、子どもたちに政治に関心を持ってもらうだけでなく、投票を前にした大人にも政治を見直し、考えてもらう機会にしてほしいと、選挙・政治関連児童書のフェアを仕掛けた。

 同社がお薦め本として押し出しているのは、『僕たちはまだ、総理大臣のことを何も知らない。』(長谷部京子編、5月出版)、『選挙、誰に入れる? ちょっとでも良い未来を「選ぶ」ために知っておきたいこと』(宇野重規監修、2月出版)、『ニッポンの総理大臣』(ニッポンの総理大臣編集部編、2022年1月出版)の3冊。小学生や中学生が対象だが、分かりやすい構成は大人の学び直しにも適しているという。

 『僕たちはまだ、総理大臣のことを何も知らない。』は首相経験者を含む政治家8人へのインタビューを掲載。首相就任前の石破茂氏へのインタビューは注目を集め、重版が決まった。他に細川護熙氏、村山富市氏、小泉純一郎氏といった首相経験者が登場。立憲民主党の新代表に選出された野田佳彦元首相を含め、与野党の重要人物が並ぶ。インタビュアーは中学生が担当し、子どもの頃のエピソードや政治家を志した動機、政治に対する考え方などを聞き出している。担当した同社コンテンツ戦略室の目黒哲也エグゼクティブプロデューサーは「大上段に政治を語るのではなく、自分のことを語ってもらい、生身の姿を知ってもらう内容になっている」とアピールする。

 『選挙、誰に入れる?』は選挙の争点になる政治テーマの賛否について、あえて子どもに考えてもらう内容となっている。1テーマを4ページで構成し、図解などでデーターを紹介。最後に異なる3つの意見を示している。同社小中教材編集部の中村円香さんは「いろいろな考え方があることが分かり、自分がどの意見に近いか考えてもらいたい。子どもたちが投票できる年齢になったとき、何を基準に選ぶか、主体的な考え、いろいろな観点を持ってもらうための書籍」と説明する。

 税金、社会保障、貧困、選択的夫婦別姓、エネルギー問題など、選挙で必ずテーマになる政治課題から意見の分かれるセンシティブな問題まで取り上げているが、それぞれを分かりやすく解説。もともと学校図書館用の大型参考図書として発刊され、好評だったことから手にとりやすいサイズで再編集された。

 『ニッポンの総理大臣』は初代・伊藤博文から前任の岸田文雄氏まで、歴代首相全員を分かりやすく紹介した学習本。重要人物はマンガ付きで手厚く解説している。

 「公民」など社会科教科で学ぶ政治や選挙は制度、仕組みの解説が中心で、無機質な内容になりがちだが、これらの書籍では政治家の人間性に焦点を当て、選挙の争点が身近な生活と密接に関係していることを示している。政治への関心、自分の意見を持つことや違った意見を認めることの大切さを強調することに力点が置かれている。

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