「オンライン試験を導入」は15.6%のみ システム未整備が理由

「オンライン試験を導入」は15.6%のみ システム未整備が理由
iStock.com/golubovy
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 オンライン試験やコンピューターを使用したCBT方式の試験が世界と比べて遅れている日本だが、試験業界発展の非営利活動を行うAsia ATP Japan SIGが10月15日に公表した、高校・大学の教職員を対象にした「オンライン試験導入に関する意識調査」の結果によると、オンライン試験を導入している学校は15.6%と2割以下にとどまっていることが分かった。また、ペーパー試験を続ける理由では学内のシステム未配備を上げる声が多かった。

 同調査は今年7月1日、2日にインターネット調査で行われ、学内試験に携わっている高校・大学の教職員103人から有効回答を得た。

 「現在オンライン試験を導入しているか」について尋ねたところ、「導入していない」と回答した人が78.6%と約8割を占め、「導入している」と回答した人は15.6%にとどまった。

 また、「導入していない」と回答した人に「学内試験においてオンライン試験の導入を検討しているか」を聞いたところ、「まったく検討していない」が64.2%、「あまり検討していない」が19.8%で、8割以上が検討していないことが明らかになった。

 「もしオンライン試験を導入するとしたら、不安を感じるか」と尋ねたところ、「非常に感じる」が39.6%、「やや感じる」が33.3%で、7割以上の教職員が不安を感じることが分かった。

 ペーパー試験を続ける理由については、「学校内でシステムが完備されていないから」が61.7%と最も多く、「学校内での合意が取れないから」が29.6%、「学校内の予算が足りていないから」が27.2%で続き、オンライン試験の低い導入率の背景には、学校内でのシステム未整備や、従来のペーパー試験からオンライン試験への移行に対する教職員の不安感があることが浮かび上がった。

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