教職調整額13%への引き上げ実現を 日高教が署名を提出

教職調整額13%への引き上げ実現を 日高教が署名を提出
署名を提出する日高教の小野山中央執行委員長(左から2番目)=撮影:藤井孝良
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 中教審答申が提言した教職調整額の13%への引き上げによる教員の処遇改善策に関し、高校や特別支援学校などの教員で構成される日本高等学校教職員組合(日高教)は10月18日、教職調整額の13%への引き上げの実現を求める署名を文部科学省に提出した。日高教の小野山享宏中央執行委員長は「われわれ自身の教育という仕事が、高度な専門性を必要とし、それを駆使して子どもたちを育てていることへの価値、リスペクトとして、きちんと教職調整額の13%への引き上げをしてほしい」と話している。

 8月27日に中教審が答申した「『令和の日本型学校教育』を担う質の高い教師の確保のための環境整備に関する総合的な方策について」では、学校における働き方改革のさらなる加速化と学校の指導・運営体制の充実、教師の処遇改善を一体的・総合的に推進することが必要であるとし、処遇改善策では給特法を改正し、教職調整額を月額給与の4%から13%に改善するよう求めている。実現すると、人材確保法が制定されて以降、一般公務員と比べて最も優遇措置が大きかった1980年時点での7.4%を上回る7.8%の優遇となる。答申を受けて文科省は「教師を取り巻く環境整備推進パッケージ」を取りまとめ、来年度予算案の概算要求で、教職調整額の13%への引き上げを含む教員の処遇改善を盛り込んでいる。

 署名では、教職調整額は教員の業務の特殊性・専門性を踏まえて支給されているものであるが、教員が担う業務が多様化し、業務の質・量の面から、現行の4%では見合っていないと指摘。教員に求められている職責に対し、その対価として少なくとも教職調整額の13%を実現するとともに、働き方改革を進めていく必要があるとしている。

 教員に呼び掛け、6104筆が集まった署名は、文科省の森孝之学習基盤審議官に手渡された。

 署名提出後に取材に応じた小野山中央執行委員長は「いじめ、不登校、ヤングケアラー、保護者対応、進路指導、地域連携など、いろいろなものを求められている中で、われわれ自身の教育という仕事が、高度な専門性を必要とし、それを駆使して子どもたちを育てていることへの価値、リスペクトとして、きちんと教職調整額の13%への引き上げをしてほしい」と強調。「教職調整額は残業代の代わりであるという意見もあるが、そもそも教職調整額は教員の業務の特殊性・専門性に対して付いているものだ。残業代の代わりとしての13%ではない。ここを混同しないようにする必要がある」と指摘した。

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