東京都教育委員会は10月22日、大学スポーツ協会(UNIVAS)と連携協力に関する協定を締結した。都庁での協定締結式で坂本雅彦教育長は「部活動の地域連携、地域移行では学校の外側の地域や民間の協力が必要だが、大学、競技団体との連携は非常に大きな力」と期待感を示した。都教委は今後、UNIVASの大学ネットワークを活用するなど中学校部活動の地域連携、地域移行を図るための連携について検討を進めていく。
UNIVASは2019年に発足し、現在は全国の大学225校、競技団体など39団体が加盟。大学生を支援して学生スポーツ人口の拡大などに努めている。協定締結式で福原紀彦会長は「スポーツに取り組む児童生徒の活動が学校の枠組みだけでなく地域に移行するとき、各大学の学生アスリートや大学スポーツの指導者がどのように貢献できるかは大きな課題。UNIVASは全国の大学による地域移行に向けた取り組みを支援してきたし、その成果が出始めている」と強調した上で、「こうしたものを東京都の皆さんとも共有し、都会の特性もあるが、大学の施設、人材などをどのように提供できるか協議を重ね、好事例を生み出すように進めていきたい」と協力への意欲を示した。
都教委は協定を通し、大学の持つ資源を有効活用できないか検討を進める。大学側には、活動場所の提供、部活動運営団体としての協力、指導者確保への協力などを期待しているという。坂本教育長は「部活動は達成感や努力の過程など生徒一人一人の人生にとって非常に重要な影響を与えるが、少子高齢化などの影響で一つの学校では完結できなくなり、持続可能な活動にするための課題に直面している。地域連携と地域移行はその重要な方法論で、外部の専門的な力も借り、より良いものにしていきたい。今日の協定はゴールではなく、スタート。われわれの双肩にかかっているが、協会の蓄積、ノウハウなど協力いただけるのは非常に力強い」と述べた。
都教委は11月までに国立音楽大学、武蔵野音楽大学とも同様の協定を締結する予定。吹奏楽部など文化系部活動の地域連携、地域移行について各大学の専門的な教育力、研究力の活用を検討していく。