三原じゅん子こども政策担当相は11月1日の閣議後会見で、10月29日に閣議決定された自殺対策白書において、小中高生の自殺者のうち自殺1年以内に未遂があったのが過半数を占めていたことについて、「関係省庁とワンチームになって、こどもの自殺未遂者への支援を強化し、こどもが自ら命を絶つようなことのない社会の実現に取り組んでいきたい」と述べた。
政府は10月29日、自殺対策基本法に基づき、2024年版の自殺対策白書を閣議決定した。白書によると、23年に自殺した小中高生は513人で、過去2番目の多さだった。また、統計で自殺未遂の時期が把握できるようになった22年以降では、小中高別、男女別のいずれでも、自殺者のうち自殺未遂歴がある場合は「1年以内」が過半数を占めていることが分かっている。
閣議後会見で自殺未遂者への支援について問われた三原担当相は、こども家庭庁が昨年6月に取りまとめた「こどもの自殺対策緊急強化プラン」において、警察や消防、学校、自治体などの自殺統計などを集約し、多角的な分析を行うための調査研究を行っていることや、多職種の専門家で構成される「若者の自殺危機対応チーム」を設置し、自殺未遂や自傷行為の経験がある若者など、市町村では対応が難しい場合に同チームが助言を行うモデル事業などに取り組むことを説明した。
その上で「自殺未遂の原因、動機を把握するため、どのようにアプローチするか、どの機関がどのように介入するのか、あるいは得られた情報について関係機関の間でどのように共有するのかなど、個人情報保護や本人の同意など、検討すべき課題も多いと考えている」と見解を示し、「調査研究や多職種専門家で構成するチームによる支援の事例集約と分析を通じ、関係省庁とワンチームになってこどもの自殺未遂者への支援を強化し、こどもが自ら命を絶つようなことのない社会の実現に取り組んでいきたい」と強調した。