教職員の16%が平日4時間以上の時間外勤務 全日教連調査

教職員の16%が平日4時間以上の時間外勤務 全日教連調査
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 全日本教職員連盟(全日教連)が11月7日に公表した「教職員の勤務環境に関する実態及び意識調査2024」で、平日の平均時間外勤務が4時間以上と答えた割合が16.1%に上っていることが分かった。昨年度に比べると2.7ポイント減ったものの、同連盟は「1カ月に換算すると過労死ラインとされる月80時間以上であり、大変憂慮すべき事態が続いている」として、文部科学省に勤務環境の改善策などを求めることにしている。

 この調査は同連盟が毎年実施しているもので、今年は6月30日から8月31日にかけて、小中学校の教職員を中心に、インターネットを活用したアンケート方式で行われた。5967人から回答を得た。

 今年4月から夏休みまでの、平日の時間外勤務の平均時間を尋ねたところ、「2時間30分以上3時間未満」が最も多く16.5%、次いで「2時間以上2時間30分未満」が16.2%、「3時間以上~3時間30分未満」が14.4%となった。また、4時間以上の割合は16.1%で、昨年度より2.7ポイント減ったものの、依然として一定の教職員が厳しい勤務状態にあることが分かった。

 これについて同連盟は「減少したことは各自治体や学校が業務の適正化に真摯(しんし)に取り組んだ結果といえるが、16%の教職員が1カ月換算で過労死ラインの月80時間以上に上っていることになり、大変憂慮すべき事態は続いている。引き続き業務の適正化推進と支援人材の拡充を要望したい」とコメントしている。

 また、平日の持ち帰り業務にかかる1週間の総時間数については、「30分未満」が43.9%で、残る半数以上が30分以上の持ち帰り業務をしていることが分かった。特に2時間を超えると答えた割合が15.1%に上り、昨年度より2.3ポイント増えた。同連盟の会員からは「一部の教師に校務分掌が集中し、持ち帰らざるを得ない」「保護者対応に追われ、持ち帰っている」などとの声が寄せられているという。

 中教審の答申で、「勤務間インターバル」について11時間を目安として取り組むよう学校に求めていることに関連して、「11時間以上確保できない日は週に何日あるか」も尋ねた。これについては「0日」が最も多く43.9%に上ったが、「半分以上確保できていない」と答えた割合が31.2%に上り、昨年度より約4ポイント減ったものの、高い割合が続いている。

 さらに平日の休憩時間が何分取得できているか尋ねたところ、「ほぼ取得できていない」が最も多く60.4%に上った。昨年度も59.8%で、多くの教職員が休憩を取れない実情が改善されていないことが分かった。同連盟は「誰もがしっかり休憩をとって教育活動に取り組むためにも業務の精選や人的体制の整備が必要だ」とコメントしており、今回の調査結果を文科省に送るなどして、勤務環境の改善を求めていくことにしている。

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