産休・育休代替教員を正規でも国庫負担対象に 制度改正を検討

産休・育休代替教員を正規でも国庫負担対象に 制度改正を検討
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 教員不足の原因の一つとなっている産休・育休代替の教員の確保に向けて、阿部俊子文科相は11月15日の閣議後会見で、代替の教員が正規の教員である場合も国庫負担の対象とする制度改正を検討していることを明かした。現行制度では産休・育休の代替は臨時講師に限定されており、教員の世代交代が進み、産休・育休を取得する教員が増加する一方で、採用数の増加などによって臨時講師の担い手が減る構造によって、学校現場では代替となる教員の確保が深刻な課題となっている。

 制度改正の検討に至った背景について、阿部文科相は「従来、産休・育休を取得する教師の代替者に関しては、いわゆる臨時講師が配置されてきたという実態がある。教師の給与費に関わる現行の国庫負担制度では、国庫負担の対象は臨時講師に限定されており、現在、産休や育休を取得する教師が生じるたびに、その都度、臨時講師を確保することが大変困難になっている状況や、地方団体からの要望も踏まえ、代替者が正規の教職員である場合にも、この国庫負担の対象とする制度改正が必要だと、私どもも考えている」と説明。この制度改正によって代替となる教員の安定的な確保が可能となり、教員不足の解消の一助になるとの見通しを示した。

 産休・育休代替の教員の正規化を巡っては、同11日に財務相の諮問機関である財政制度等審議会の分科会で示された財務省の資料でも、臨時講師の確保が難しくなっている現状を踏まえ、「正規の教職員も国庫負担の対象とすることにより、教育委員会・学校の負担を軽減することが考えられる」と言及されている。

 阿部文科相は、実現の時期も含め検討中としたものの、「産休や育休を安心して取得することができるようになり、働きやすい職場環境になるという効果が期待される。引き続き財政当局としっかり議論をさせていただきながら、改正に向けた具体的な検討を進めていく」と強調した。

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