25人学級を小5以降にも 山梨県の検討委員会が報告書

25人学級を小5以降にも 山梨県の検討委員会が報告書
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 現在、山梨県が小学4年生までの学年で独自に実施している25人学級について、県の少人数教育推進検討委員会は11月15日、来年度以降、小学5・6年生へも導入することを目標とする報告書を県教委に提出した。報告書では25人学級の実施による少人数教育によって、学力向上や教員の負担軽減などに効果があったと評価。一方で、教員不足の状況が続く当面の間は、制度としての25人学級を維持しつつ、国の基準を上回る26~30人程度の学級編制をするなどして、可能な範囲での少人数学級を実施することを提言した。

 山梨県では2021年度から小学1年生で25人学級を導入し、今年度には小学4年生にまで順次導入している。学校関係者や学識経験者らで構成される検討委員会では、5月からこうした少人数教育の成果と課題を検証。児童への学校生活などの意識調査からは、25人学級では、教員が児童に声を掛けやすくなる、児童同士のコミュニケーションが活発になる、学力調査で無回答率が減少するなどの効果が確認された。また、学校関係者への聞き取りでは、教室にゆとりが生まれ、教員の業務負担の軽減や学年経営の活性化につながっているといった声もあった。

 これらの教育的な効果を踏まえ、検討委員会では小学5年生以降についても25人学級を継続して導入することを目標とすべきだと結論付けた。ただし、教員不足が続いていることから、制度としての25人学級を維持しつつ、教員が確保できるまでの当面の間は、26~30人程度の国の基準を上回る少人数学級とするなどして、可能な範囲で実施することも付言した。

 県教委では報告書を踏まえ、小学5年生以降の25人学級の導入に向けて検討を行う。

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