機器トラブルで遅延、再試験も 3回目の都英語スピーキングテスト

機器トラブルで遅延、再試験も 3回目の都英語スピーキングテスト
ESAT-Jが行われた都立青山高校で会場へ急ぐ生徒たち=撮影:徳住亜希
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 都立高校入試の評価資料として合否判定に活用される「中学校英語スピーキングテスト」(ESAT-J)の2024年度の試験が11月24日、都内230会場で実施され、都内の公立中学校に通う3年生、約7万人が受験した。ESAT-Jの実施は今回で3回目。これまでベネッセコーポレーションが運営や採点を行っていたが、今年度はブリティッシュ・カウンシルに事業者を変更。都教委によれば、昨年度と同様に機器の不具合によるトラブルが複数の会場で発生した。

 初冬らしい寒さに見舞われた24日、正午をすぎると、会場の一つである都立青山高校には受験する生徒たちが相次いで姿を現した。昨年度より3つ増えた230会場で、前半、後半の2つのグループに分かれてテストが行われた。

 これまではイヤーマフとマイク付きイヤホンの機材が使われていたが、事業者の変更に伴い、今年度からマイクとヘッドホンが一体型のヘッドセットを使用。生徒はヘッドセットを装着し、タブレット端末に表示される問題について口頭で答える形式だ。その際、一部会場でタブレットがうまく起動しないなどのトラブルが発生、テスト終了時刻に最大2時間の遅延が生じたほか、機器の不具合により再試験となった生徒もいた。

 都教委の担当者は機器のトラブルについて「機器の点検は実施しているが、前回と同様に不具合が起きてしまった」と話し、事業者変更による影響については「機器そのものが変更されたので何とも言えない」と明言を避けた。

 今年度のテスト問題は25日に都教委のウェブサイトで公開された。音読、会話、ナレーションをする問題、自分の意見を発表する問題で構成「コミュニケーションが達成できているか」「言語使用は適切であったか」「相手に伝わる音声で話せているか」という3つの観点で、話す力について評価を行う。24日に再試験となった生徒のほか、体調不良などで受けられなかった生徒は12月15日の予備日に受験できる。

 ESAT-Jを巡っては機器の不具合のほか、テストを受けられなかった生徒にも点数が加点されることから「入試としての公平性」の問題が指摘されている。

 

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