全国学力調査の公表方法 阿部文科相「有識者会議で検討」

全国学力調査の公表方法 阿部文科相「有識者会議で検討」
全国学力調査の公表方法など巡り発言する阿部文科相=撮影:山田博史
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 全国学力・学習状況調査(全国学力調査)を巡って全国知事会が行ったアンケートで、現行の「都道府県・政令市別」の公表方法に否定的な回答が一定数あったことを踏まえて、阿部俊子文科相は11月29日の閣議後会見で、「有識者会議で調査結果の公表方法の在り方を議論していただき、関係者の意見を丁寧に聞きながら改善の方法について検討していく」と述べ、公表方法の見直しも含めて検討する考えを示した。

 全国学力調査を巡っては、全国知事会が、毎年実施する必要性や公表方法について問題提起する声があったことから全都道府県の知事にアンケートを実施し、今月25日に公表された。調査結果によると、実施頻度については現行の「毎年実施」が適切との回答が35都道府県、調査方法については現行の「悉皆調査」が適切との回答が38都道府県と多数を占めた。

 一方、調査結果の公表については、現行の「都道府県・政令市別の調査結果を公表」が25都道府県と半数以上を占めたが、「全国の状況のみ公表」も14都道府県と否定的な回答も一定数に上り、「都道府県の調査結果の公表は反響が大きく、全国との平均正答率との差や順位のみが独り歩きしており、教育現場の混乱を助長しかねない状況である」などとの意見が寄せられた。

 この結果について阿部文科相は「毎年度、悉皆で実施することに肯定的な意見が多かったことを踏まえ、引き続き本調査を着実に実施していく」と述べ、アンケート結果で支持の多かった悉皆による毎年実施については引き続き継続する考えを示した。

 一方、現行の公表方法に否定的な回答が一定数あったことについて、「有識者会議で調査結果の公表方法の在り方を議論していただく予定だ。全国学力調査は児童生徒一人一人の学力課題を把握し、エビデンスに基づく学習指導に生かしていくために実施しているものであり、調査結果の公表方法も含め、調査をよりよい形で実施することができるよう、関係者の意見を丁寧に聞きながら改善の方法について検討したい」と述べ、見直しも含めて検討を進める考えを示した。

 全国学力調査を巡っては、すでに文部科学省で「全国的な学力調査に関する専門家会議」が設置されているが、この中で検討するか、全国知事会のメンバーも加えた別の有識者会議を立ち上げるかどうかについて、今後検討することにしている。

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