学校だよりにイラストを無断使用 教員が17万円全額を賠償

学校だよりにイラストを無断使用 教員が17万円全額を賠償
iStock.com/lucky sun
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 東京都東久留米市の市立中学校教員が「学校だより」にインターネットで検索した有料イラストを無断で使用し、制作者に損害賠償金などとして約17万円を全額支払ったことが、12月2日までに分かった。同市教委は教員が全額賠償したことについて、「教員は管理職で指導的立場にありながら漫然とイラストを使用しており、重過失に当たると判断した」と説明している。

 東久留米市教委によると、同校で2022年11月に「学校だより」を作成した際、担当教員がテニス部の活動を紹介する記事にインターネットで検索した有料イラストを無断で使用し、インターネットで閲覧できる状態が続いていたという。今年5月29日、制作者の代理人弁護士からイラスト使用について請求書が届いたことから問題が発覚した。同校はホームページから該当の「学校だより」を削除するとともに、同市教委は著作権侵害を認め、今年7月、イラスト使用料と無断使用に関する損害賠償金として17万6000円を制作者に支払ったという。

 その後、同市教委で対応を検討した結果、この教員が指導的立場にある管理職である上、著作権に関する研修を受けているにもかかわらず、漫然と有料イラストを記事に使用したことは重過失に当たると判断し、教員本人に全額を支払うよう求め、教員もこれに応じた。教員は「インターネット検索で出てきたものを、ついそのまま使ってしまった」と話しているという。

 同市教委は、再発防止策として、市内の全校長に学校だよりやホームページで使用しているイラストについて利用規約の確認を徹底するよう通知を出すとともに、独自の研修資料を作成して全校で全教職員向けの研修を実施するよう指示した。

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