子どもたちの多様な教育的ニーズを満たす学習環境づくりを推進するため、兵庫県姫路市教育委員会は12月2日から、ふるさと納税を活用した自治体クラウドファンディングを開始した。目標金額は300万で、寄付金は学校の提案をもとに、市内公立小中学校の空き教室のリノベーション費用に活用される。市教委の担当者は「学校の中に、子どもたちにとって居心地の良い場所を増やしていきたい」と意気込みを語った。
同市では久保田智子教育長の下、「子ども中心の学校づくり」を進めている。一方で、同市の公立学校の校舎の8割が築40年以上と老朽化が進んでおり、子どもたちの多様な教育的ニーズを満たす学習環境づくりになかなか手を付けられていないという現状がある。
今回、同市教委としては初めてとなる自治体クラウドファンディングを行うことで、児童生徒が考える未来型学習空間の実現や、学校でのウェルビーイング向上を図っていくとしている。
寄付金は、学校からの提案をもとに、空き教室を児童生徒が生き生きと活動できる空間にするためのリノベーション費用に活用する予定。具体的には、同市立城北小学校の「子どもたちが自由に表現できるプレゼンルーム」と、同市立飾磨(しかま)中部中学校の「“ふれあいと学び”の場となるランチルーム」に活用予定。
各学校で子どもたちの思いをくみ取りながら、こうしたリノベーション案が出てきたといい、同市教委の担当者は「来年度以降は、全小中学校でリノベーションのアイデアを募集して、さらに広げていけたら」と話した。
久保田教育長は今回の取り組みに向けて「学校施設のデザイン性や教室空間内装を整えることは、子どもたちの学習意欲や学校生活の満足度を高めることも分かってきている。子どもたちは、学校にこんな空間があったらいいな、というアイデアを持っている。自分たちが望む空間で、自分らしく学び、明日また行きたいと思える、魅力ある学校づくりのために、理解と支援をお願いしたい」とコメントしている。
ふるさとチョイス「ガバメントクラウドファンディング」のプロジェクト名「子どもの学校改革応援プロジェクト~自分たちで、教室を変える!~」から寄付を受け付ける。募集期間は2025年3月1日まで。