文部科学省が12月13日に公表した、2025年3月卒業予定の高校生の就職内定状況に関する調査で、就職内定率が24年10月末時点で77.3%となったことが分かった。人手不足を背景にした「売り手市場」が続き、高い水準を維持したものの、国立校で前年同期比20ポイント減になるなど一部では落ち込みが目立った。都道府県別ではトップの愛知県が88.9%に達した一方、ワーストの沖縄県では51.5%にとどまり、地域間格差が顕著に表れる結果となった。
就職内定率を男女別に見ると、男子が77.9%(前年同期比0.1ポイント増)、女子が76.2%(同0.2ポイント増)。学科別では「看護」の89.2%を筆頭に、「工業」が89.0%、「商業」が82.9%、「水産」が81.6%、「情報」が80.3%で、こうした学科ではいずれも80%を超える高水準となった。中でも「情報」は前年同期比で2ポイント増と伸びが顕著で、文科省の担当者は「デジタル人材の需要の高まりに応じたもの」とみる。
都道府県別では、内定率の高い都道府県は▽愛知県88.9%▽富山県87.9%▽福井県86.1%▽栃木県85.6%▽山口県85.5%。一方、内定率の低い県は▽沖縄県51.5%▽北海道59.4%▽高知県64.1%▽千葉県65.4%▽神奈川県67.2%だった。
調査結果について文科省の担当者は、「就職内定率は高水準を維持しており、コロナ禍の落ち込みからは回復したものとみている。進路が定まっていない生徒に対しては今後、ハローワークなどと連携した一層の支援を各都道府県の教育委員会に要請する。また12月末、25年3月末にも内定状況を調査し、厚労省と連携しながら支援を行っていく」と述べた。
調査は国立・公立・私立の高校(全日制・定時制)に通う生徒全員を対象に実施。卒業予定者94万36人のうち、就職希望者は12万8349人で、そのうち内定者は9万9218人、未内定者は2万9131人だった。