部活動の地域展開に向け「中間とりまとめ」発表 実行会議が提言

部活動の地域展開に向け「中間とりまとめ」発表 実行会議が提言
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 スポーツ庁・文化庁は12月18日、部活動の地域移行に向けた取り組みを検討する「地域スポーツ・文化芸術創造と部活動改革に関する実行会議」による、中間とりまとめの提言を発表した。中間とりまとめでは素案を踏まえ、スポーツ基本法や文化芸術基本法などとの関連性を示し、部活動改革の理念に対応して「スポーツ・文化芸術に関する施策を総合的に推進する中で、部活動改革も計画的に進められる」との文言を追加した。また指導者を巡る課題、障害のある生徒への対応も新たに明記した。スポーツ庁の担当者は「実行会議などで出た各委員からの意見を素案に反映させた」としている。

 部活動改革を巡っては、文部科学省は2023~25年度までの3年間を「改革推進期間」に設定と、公立中学の休日の部活動について地域移行を進めている。推進期間後となる26年度以降の改革について、実行会議では「地域スポーツクラブ活動」「地域文化芸術活動」の各ワーキンググループを開き、有識者による議論を重ねてきた。

 中間とりまとめでは改革の理念をより的確に表す狙いで、「地域移行」の名称を「地域展開」に変更した。また26~31年度の6年間を「改革実行期間」に設定。休日の部活動について、実行期間内に「原則、全ての部活動の地域展開を目指す」とし、平日についても「地域の実情に応じた取り組みを進める」予定だ。

 さらに指導者の質・量といった課題への対応として、「事故等や不適切行為が発生した場合の責任の所在の明確化」を明記。障害のある生徒の活動機会の確保についても、素案にあった「体制整備等において考慮すべき特有の事情」に続き、より具体的な取り組みを示す「障害者対応指導ツールの活用や研修等を通じた指導者の資質・能力の向上等」の文言が加わった。

 12月10日に開かれた2回目の実行会議では、委員から「地域展開に携わる関係者が多くなると、事故や不祥事が起きた際、責任の所在が曖昧になるのではないか」「障害のある子どもたちも受け入れることが当たり前であると明確にしてほしい」などの意見が出ていた。

 両庁は24年12月~25年1月にかけて、関係団体へのヒアリングを実施。各WGでの議論を経た後、来春にも最終案をまとめる見込み。

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