待機児童発生の時期や地域の偏り解消へ 放課後児童対策パッケージ

待機児童発生の時期や地域の偏り解消へ 放課後児童対策パッケージ
iStock.com/Milatas
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 こども家庭庁と文部科学省は、放課後児童クラブの待機児童の解消に向け、夏季休業期間中の開所支援などを盛り込んだ「放課後児童対策パッケージ2025」を取りまとめた。12月24日に公表する。また、今年度の放課後児童クラブの実施状況の調査結果では、登録児童数は「新・放課後子ども総合プラン」で掲げられていた152万人にほぼ達したものの、待機児童は1万7686人と前年より1410人増加していたことが、こども家庭庁への取材で分かった。

 こども家庭庁によると、放課後児童クラブの2024年5月1日時点での実施状況では、登録児童数は151万9952人と過去最高値を更新し、前年比6万2568人増だった。放課後児童クラブ数は2万5635カ所で、前年比172カ所減。うち、「新・放課後子ども総合プラン」に基づき、1万カ所以上の実施が目標だった放課後子供教室との一体型は5660カ所で、前年比8カ所増にとどまった。

 待機児童は1万7686人で、前年比1410人増。学年別の状況を見ると、小学1年生から3年生までが前年比173人増、小学4年生から6年生までが同1237人増だった。都道府県別では東京都が3731人、埼玉県が2132人、千葉県が1181人で、全体の約4割を占めている。

 また、今年度、別途調査された10月1日時点の速報値では、登録児童数は147万1315人で、5月1日時点からは4万8637人減だった。待機児童数は8794人で、同8892人減だった。

 こうした状況を受け、待機児童対策の一層の強化と放課後の児童の居場所確保に向け、こども家庭庁と文科省が連携し、予算・運用の両面から24年~25年度に集中的に取り組むべき対策として「放課後児童対策パッケージ2025」が取りまとめられた。

 放課後児童クラブの実施状況調査からは、①待機児童発生状況の偏り②補助事業の未活用③関係部局間・関係者間の連携――の3つの課題が浮かび上がっており、その対応策を新規・拡充する。

 まず①の課題については、5月時点と夏休み明けの10月時点では待機児童数が約半数に減少するなど、待機児童が発生する「時期」や「学年」「地域」に偏りがあるとし、対応策として、夏季休業期間中などの開所支援を行うことや、特に就学にあたっての不安が大きい小1の待機の解消を目指すこと、待機児童の多い自治体に向けて、民間の新規参入支援やモデル事業などを展開していくことを示した。

 また②に関しては、待機児童解消のためのさまざまな補助メニューの一層の周知が必要だとして、待機児童数の多い自治体について、補助事業の活用状況を含めた取り組み状況や、待機児童の状況の詳細を公表する。③については、運営委員会や総合教育会議の活用促進や、好事例の共有を行っていくとしている。

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