標準を大きく上回る教育課程の学校が減少 点検促した効果

標準を大きく上回る教育課程の学校が減少 点検促した効果
iStock.com/Milatas
【協賛企画】
広 告

 標準授業時数を大幅に上回る教育課程を編成している公立小中学校が2023年度に大きく減少していたことが、文部科学省が12月25日に公表した24年度「公立小・中学校等における教育課程の編成・実施状況調査」の結果で分かった。文科省ではこうした学校に対し、働き方改革の観点などから見直しを前提にした点検を促しており、その効果が出た結果と見られる。

 同調査は7月22日~8月30日に、義務教育学校、中等教育学校を含む全ての公立小中学校を対象に行った。

計画段階での年間総授業時数の状況
計画段階での年間総授業時数の状況

 前回調査(22年度)は抽出で行ったため、比較の際には留意が必要だが、標準授業時数を大幅に上回る1086単位時間以上の学校は、24年度の計画段階では、小5で17.7%(前回調査比19.4ポイント減)、中2で15.2%(同20.9ポイント減)と、大きく減少した(=グラフ)。

 24年度の計画で1086単位時間以上の教育課程を編成している学校に、標準授業時数を上回る時数にしている理由を尋ねると、小5の24.8%、中2の27.5%で、具体的な使い方を想定していなかった。使い方を想定している学校でも、学級閉鎖などの不測の事態でも授業時数を確保するためと答えているのが、小5で35.7%、中2で34.6%を占めた。

 調査では、週当たりの授業時数にも着目。標準授業時数が1015単位時間の学年でも、週当たりの授業時数が28コマ以下になるように教育課程を編成する学校が増えていた。

 また、標準的な授業時間の区切りを、学校教育法施行規則に定める単位時間(小学校45分、中学校50分)以外の時間に設定している学校は、小5で209校、中2で129校あることも分かった。

広 告
広 告