高校生の進学意識など 地方圏より三大都市圏の方が高く

高校生の進学意識など 地方圏より三大都市圏の方が高く
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 15歳だった頃に過ごしていた都道府県で将来的に暮らしたいと考える18歳前後の若い人たちの割合は、三大都市圏の方が地方圏より高いことが1月6日、日本財団の行った「18歳意識調査」で明らかとなった。高校生の回答者の進学意識などでも三大都市圏と地方圏の差がみられ、地域間の教育格差の一端が浮き彫りとなった。

 調査は2024年11月21日~12月2日に、47都道府県から16~19歳の男女計100人ずつを抽出し、インターネットで実施。三大都市圏中心部(東京都23区と埼玉、千葉、神奈川、愛知、京都、大阪、兵庫の各府県の政令市)と三大都市圏周辺部(東京都23区以外の都内自治体、茨城、埼玉、千葉、神奈川、愛知、京都、大阪、兵庫の各府県の政令市以外の自治体)、地方圏中心部(三大都市圏周辺部を除く地域にある政令市)、地方圏周辺部(三大都市圏中心部、同周辺部、地方圏中心部以外)で分析した。

 回答者で学校に在籍している割合をみると、三大都市圏で育った人の方が地方圏で育った人よりも、高校や専門学校、大学などの学校に在籍している割合が高かった。

 高校生に絞り込み、大学などへの進学予定を尋ねたところ、三大都市圏中心部では大学に進学する予定が8割を超えた。一方で、男子高校生では、地方圏中心部、同周辺部で進学する予定がない割合が14%を超えていた。

 さらに、15歳の頃に過ごしていた都道府県で将来も暮らしたいかと考えるかを聞くと、男女ともに三大都市圏中心部、同周辺部、地方圏中心部、同周辺部の順に「暮らしたい」または「どちらかといえば、暮らしたい」と答える割合が高くなった(=グラフ)。

15歳だった頃に過ごしていた都道府県で、将来暮らしたいと思う割合
15歳だった頃に過ごしていた都道府県で、将来暮らしたいと思う割合

 15歳だった頃に暮らしていた地域について、「塾・習い事の選択肢が多い」という項目に「同意」または「どちらかといえば同意」した割合は▽三大都市圏中心部 89.7%▽三大都市圏周辺部 74.3%▽地方圏中心部 68.8%▽地方圏周辺部 56.6%――で、三大都市圏・地方圏のいずれも、中心部と周辺部で10ポイント以上の開きがみられた。

 

【キーワード】

教育格差 さまざまな要因によって受けられる教育に差が生じている状態。教育格差を生む要因としては、家庭環境や生まれ育った地域、ジェンダーなどが指摘されている。

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