ドローンの操縦ライセンスに関する講習機関を運営する先端技術無人航空機トレーニングセンター(AUTC)は1月7日、沖縄県立本部高校で、生徒がドローンの国家技能資格(操縦ライセンス)を取得できるようにするカリキュラム開発の支援を始めたと発表した。普通科高校でドローンの操縦ライセンスが取得できる取り組みは、全国でも初めてとみられる。
AUTCでは2023年から高等専門学校や大学などと連携し、それらの教育機関を講習機関の支部とすることで、学生がドローンの操縦ライセンスの取得に向けて学べる機会をつくってきた。ライセンス取得に必要な座学の内容はAUTCが提供し、操縦技術はインストラクターの認定を受けた各教育機関の教員や学生らが担う。
DXハイスクールになっている本部高校はこの仕組みに着目し、同高にAUTCの講習機関の支部を設置。現在、AUTCの講習を受けた教員がドローンの操縦ライセンスの取得を目指している。将来的にはその教員がインストラクターの認定を受けて、生徒にドローンの操縦技術を指導できる体制にする。
ライセンスは16歳から取得可能で、希望する生徒がライセンスの取得を目指してカリキュラムを受講できるようになるのは、早くて26年度からになる見通しだが、25年度には同高の「理数探究」などの授業でも、教員が積極的にドローンを活用していく方針だ。
このカリキュラム開発を担当する同高の津嘉山翔教諭は「自然が豊かな本部高校は、ドローンを学ぶには最適な環境だ。観光施設も多く、そこで生徒がドローンを使った課題研究に取り組むことも考えている。生徒が本部高校を卒業してからも、この地域で活躍するDX人材になってくれたら」と青写真を描く。
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DXハイスクール 2024年度から始まった文部科学省の事業。デジタルなどの成長分野を支える人材を育成するため、情報や数学を重視したカリキュラムやICTを活用した文理横断的な探究学習に力を入れる高校などに対し、必要な環境整備の経費を支援する。