子どもの体験機会の充実に向けて、徳島県の後藤田正純知事は1月7日、2025年度から県立学校で、任意の平日に校外での体験や学びができるようにする「ラーケーション」を導入すると発表した。仕事の都合などで土日に休みにくい保護者に、子どもと一緒にさまざまな体験や探究的な学びにつながる活動をしてもらうなどの利用の仕方を想定している。
ラーケーションは23年度に愛知県で始まり、一部の自治体で導入される動きがある。徳島県は愛知県をモデルに、25年度から試験的に県立の中学校、高校、中等教育学校、特別支援学校で実施。県立学校の事例を参考に、公立小中学校の設置主体である県内市町村にも導入検討を呼び掛けていく。
年間3日まで取得でき、1日単位でも連続でもよい。利用を希望する場合は事前に学校に届け出る必要があるが、その日は登校しなくても欠席扱いにはならない。県教委によると、学校ごとに何日前に申請しなければならないかや、学校行事の日程などの関係でラーケーションの取得を控えてほしい日などを設定することになるという。
例えば、土日に休みを取りにくい保護者が子どもと一緒に余暇を過ごす日として利用してもらうことなどを想定している。
記者会見で後藤田知事は「自然体験や地域の歴史文化に触れる、将来の進路選択の参考になる社会体験活動など、子ども自身が学びたい、子どもに学ばせたいことを、休息を通じて行ってもらいたい。対象の方々には積極的に活用していただき、学校関係者にはしっかりとした理解をお願いしたい」と趣旨を説明した。
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ラーケーション 子どものラーニングと保護者のバケーションを組み合わせ、任意の平日に校外での多様な体験を家族で行えるようにした制度。2023年度に愛知県で始まり、一部の自治体で同様の制度を導入する動きがある。ラーケーションの日は登校しなくても欠席扱いにならない。