福井県教育委員会はこのほど、2025年度からの5年間で取り組む教育施策をまとめた「第4期福井県教育振興基本計画」の骨子案を公表した。新たな施策として、県内の小中学校で複数の教員で子どもを見守る「チーム担任制」を推進していく。県教委の担当者は「できる学校から段階的にチーム担任制を導入し、教員の働き方改革につなげたい」と強調した。
骨子案では、「確かな学力と探究力の育成」に向けて、デジタル技術を活用した個別最適な学びと協働的な学びの一体的充実や、探究学習のさらなる推進などに加え、充実した教育に向けた学級経営を目指し、複数で子どもを見守る「チーム担任制」の推進が盛り込まれた。
県教委の担当者は「来年度から、できる学校からチーム担任制を導入し、段階的に増やしていく。チーム担任制の取り入れ方や他県などの好事例を紹介しながら進めていきたい」と話した。
また、今後はチーム担任制の加配教員の配置も検討しており、「例えば、1学年2クラスならば、それを3人の教員でみるような、加配教員を活用したチーム担任制を目標としている。来年度に関しては、チーム担任制の加配教員は配置できないが、現状の加配教員を活用するなどして、進めていってほしい」と説明した。
チーム担任制を進めることで、個々の教員に負担や責任が集中しない組織づくりを目指していくとし、県教委の担当者は「学級運営や生徒指導の分担、休暇を取りやすくなるなど、教員の働き方改革につなげていきたい」と強調した。
このほか、第4期福井県教育振興基本計画では、新たに▽探究学習において生徒と地域をつなぐコーディネーターなどを配置▽ふくいの未来と地域政策を考える「地域デザイン講座」の開催▽「校内サポートルーム」の設置拡充と取り組みの充実▽中学校部活動の地域移行を推進▽男性教員の育休取得促進および代替の人材確保を推進――などにも取り組むとしており、今年度内に策定される。