食べ物の誤嚥・窒息に注意呼び掛け こども家庭庁がメッセージ動画

食べ物の誤嚥・窒息に注意呼び掛け こども家庭庁がメッセージ動画
窒息・誤嚥事故への注意喚起をする三原担当相=撮影:水野拓昌
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 子どもが食べ物で喉を詰まらせたり、誤って気管に入ってしまったりする窒息・誤嚥(ごえん)事故を防ぐため、こども家庭庁は1月21日、保育・子育て関係者に向けたメッセージ動画をYouTubeやX(旧ツイッター)、インスタグラムで公開した。三原じゅん子こども政策担当相が同日、閣議後の記者会見で公表し、「リンゴ、ブドウ、パンなどの身近な食べ物でも事故につながることがある」と注意を呼び掛けた。メッセージ動画は保育所や家庭での未就学児の事故を想定しているが、同様の事故が起こり得る学校現場での対策にもつながる内容だ。

 メッセージ動画は1分12秒で、三原担当相が「5年間で14歳以下の子ども55人が亡くなっており、その8割は4歳以下。子どもが普段食べているものでも事故が起きる場合がある」と指摘し、①その子に合った量、大きさ、硬さに注意②飲み込んだことを確認する③無理には食べさせない――といった事故防止のポイントを挙げている。

 子どもが食べ物を喉に詰まらせた窒息事故では、2024年2月、福岡県みやま市の小学校で給食の「みそおでん」に入っていたウズラの卵を詰まらせて小学1年生の男児が死亡する事故が起きている。

 同市では事故後、弁護士、大学教授、医師、養護教諭経験者ら外部有識者7人で構成された学校安全調査委員会が設置され、昨年12月に再発防止策への提言を盛り込んだ答申書を待鳥博人教育長に提出。異常が発生した際に素早く判断して緊急通報につなげることや、危機管理対応マニュアルとして窒息事故を想定すること、食材に関する注意喚起や救命講習の内容の拡充などが提言された。また、同市は事故後、学校給食で似たような形状、大きさの食材を細かく刻むなどの対応を取っている。

 待鳥教育長は答申を受けて、2月中にも市教委としての再発防止策を取りまとめる意向を示している。

 三原担当相はこの日の会見で、「子どもの安全安心は何よりも重要で、このような事故はあってはならない。事故防止については重大事故が発生しやすい場面ごとの注意事項をまとめたガイドラインを策定し、現場に周知徹底を図っている。こども家庭庁としてもしっかりと取り組みたい」と述べ、「こどもの事故防止ハンドブック」の活用を呼び掛けた。

 ハンドブックでは食べ物に関わる窒息事故について、球形の食べ物が吸い込みにより窒息事故につながりやすい点や、かみ切りにくい食材、気管・気管支に入りやすい食材、細かく刻んだ方がいい食材などを具体的に挙げ、注意を呼び掛けている。

 三原担当相のメッセージ動画は、YouTubeのこども家庭庁公式チャンネルやX(https://x.com/KodomoKatei)、インスタグラム(https://www.instagram.com/kodomo.katei/)の同庁公式アカウントで公開されている。

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